第13回 早わかりクラシック音楽講座 2008/2/24(Sun)

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「J.S.バッハの小宇宙」

■内容
≪ J.S.バッハの小宇宙 ≫
第1部:ピアノ生演奏(Piano:愛知とし子)
第2部:17世紀当時の歴史的背景とJ.S.バッハの生い立ち~ケーテン時代とは?
第3部:極限まで切り詰められた最小単位の音楽、無伴奏器楽曲を聴く!
-お茶とお菓子付-

第1部
□ピアノ生演奏(Piano:愛知とし子)
①バルトーク:アレグロ・バルバロ
「野蛮な」という名称を持つバルトーク若き日の傑作小品。EL&Pが「The Barbarian」という曲中でモチーフに使ったロック・ミュージックにも通じる名品。興奮を覚える。
②マスカーニ:歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」間奏曲(愛知とし子編曲)
この間奏曲は有名です。オペラの内容は知らなくてもこの音楽はどこかで一度は聴いたことがあるでしょう。今回は愛知がアレンジしたピアノ編曲盤にて演奏しました。
③パッヘルベル:カノンニ長調(愛知とし子編曲)
同じく有名な「カノン」。究極の調律音楽ともいえるこの楽曲を愛知とし子が独自のアレンジで演奏しました。
上記はいずれも3月下旬に発売予定の愛知とし子・ファースト・アルバムに収録予定の楽曲です。いずれも「愛」に満ちた音楽です。

写真 001

第2部
□17世紀当時の歴史的背景とJ.S.バッハの生い立ち~ケーテン時代とは?
ドイツ30年戦争という背景。「死」というものがより身近にあった当時に生み出されたバッハの天才的な楽曲。特に、数多の傑作世俗音楽を創作したケーテン時代を中心に講義しました。
①ブランデンブルク協奏曲第5番ニ長調BWV1050
リサ・ベズノースウィック(フラウト・トラヴェルソ)
サイモン・スタンデイジ(ヴァイオリン)
トレヴァー・ピノック(チェンバロ)
イングリッシュ・コンサート
比較視聴(抜粋)
ヨーゼフ・ニーダーマイヤー(フルート)
ヴィリー・ボスコフスキー(ヴァイオリン)
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(ピアノ&指揮)
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

写真 003

写真 009

第3部
□極限まで切り詰められた最小単位の音楽、無伴奏器楽曲を聴く!
◆人声に近い癒しの音楽、一挺のチェロで織り成す小宇宙
②無伴奏チェロ組曲第1番ト長調BWV1007
ミッシャ・マイスキー(チェロ)〈旧盤〉
比較視聴(抜粋)
ミッシャ・マイスキー〈新盤〉
パブロ・カザルス
ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ

巨匠ロストロの演奏が最も人気が高かったようです。天才が70歳を過ぎ満を辞して世に送り出した名盤です。

写真 016

◆より神の境地に達する究極の音楽
③無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番ニ短調BWV1004
ヘンリク・シェリング(ヴァイオリン)
とても一挺のヴァイオリンで演奏しているとは思えないバッハの世俗音楽の最高峰。特に、終曲「シャコンヌ」はこの世のものとも思えないほど求心的でストイックな音楽です。

おまけ
ライプツィヒ時代の傑作カンタータ
④主よ人の望みの喜びよ(マイラ・ヘス編曲)
スタニスラフ・ブーニン(ピアノ)
⑤カンタータ第147番「心と口と行いと生きざまは」BWV147~コラール
カール・リヒター指揮ミュンヘン・バッハ管弦楽団&合唱団

J.S.バッハを簡単に理解することは難しいかもしれません。プロテスタントのルター派に属した敬虔なキリスト教徒でもあったバッハを理解するには、宗教的な知識や当時のドイツの社会的背景を知ることが重要な要素ですが、純粋に「音楽」として楽しむことも可能であり、今回は教会音楽ではない世俗音楽をとりあげました。特に、ケーテン時代は協奏曲や管弦楽曲、クラヴィーア曲などマスター・ピース揃いで、たった3時間の中でエッセンスを消化するのは至難の業でしたが、お陰さまで好評のうち終えることができました。聖書に「心貧しき者は幸せなり」という言葉がありますが、バッハの無伴奏の楽曲を聴いているとこの言葉を思い出します。音楽史においても時代を経るにつれ楽曲が肥大化していく中、原点はやはりバッハの「無伴奏」にあるのではないかと思います。
「心貧しき」とは「欲望についての貧しさ」を指します。
「謙虚な人間は幸せと仲良くなれるが、強欲な人間は幸せから軽蔑される」

ご参加いただいた皆様、今月もありがとうございました!