さくらカレッジ2014年4月講座 2014/4/5(Sat)

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「早わかりクラシック音楽入門講座」

≪ ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第5番ヘ長調作品24「春」 ≫
第1部:ウィーン時代初期のベートーヴェン、交響曲第1番
第2部:挑戦と革新、そして恋愛~月光ソナタとスプリング・ソナタ
※使用テキスト
・「クラシックの作曲家たち(萩谷由喜子著)」(ヤマハミュージックメディア)
・あらすじで読む名作オペラ50(世界文化社)

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第1部
□ウィーン時代初期のベートーヴェン、交響曲第1番
1792年、ウィーンに出てきたベートーヴェンは持てる才能を発揮し、楽壇にセンセーションを巻き起こします。とはいえ、彼の天才は生まれながらにあるものでなく、地道な努力と多くの師について謙虚に学んだことが大きかったのです。
日本の古典芸能では「守破離」ということがよくいわれますが、ベートーヴェンの場合もこの「守破離」を徹底した芸術家でした。
彼の生涯にわたる挑戦と革新は、すでに若い頃からあったのです。まずは自作やモーツァルト作品を通じてピアニストとして一世を風靡。ピアノ教師として生活費を稼ぐ一方、徐々に作曲家としても頭角を現します。
一方で、1798年頃から難聴に苦しめられ、人間関係に支障を来すようになりました。当時のベートーヴェンの苦悩は手紙にも残されています。そのような状況においても前向きに挑戦し、しかも美しい作品を彼は書き続けました。

まず、視聴いただいたのは最初の交響曲です。

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①交響曲第1番ハ長調作品21
クリスティアン・ティーレマン指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

ハイドンやモーツァルトの影響を受けながらも、独自の路線を歩み始めた30歳時の佳作。初めて聴かれた方も多かったのですが、素敵な音楽だと感心される方も多く・・・。

第2部
□挑戦と革新、そして恋愛~月光ソナタとスプリング・ソナタ

休憩後、後半は当時のベートーヴェンの恋愛事情などについてお話をさせていただき、とかく厳格なイメージの彼ですが、柔和で明快な側面もあることを強調。献呈者であるジュリエッタとの実らなかった恋についてお話しした後、「月光」ソナタを堪能していただきました。

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②ピアノ・ソナタ第14番嬰ハ短調作品27-2「月光」
クラウディオ・アラウ(ピアノ)

壮年期のアラウの非常に濃厚な「月光」。素晴らしかったです。
続いて、ほぼ同時期の作品である「スプリング・ソナタ」。4楽章制をとり、果敢に挑戦した室内楽の名作です。

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③ヴァイオリン・ソナタ第5番ヘ長調作品24「春」
アンネ=ゾフィー・ムター(ヴァイオリン)
ランバート・オーキス(ピアノ)

あっという間の2時間でしたが、楽しんでいただけたようです。
次回はモーツァルトの歌劇「ドン・ジョヴァンニ」です。お楽しみに!