さくらカレッジ2013年4月講座 2013/5/18(Sat)

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「早わかりクラシック音楽入門講座」

内容
≪ ハイドン:交響曲第94番ト長調「驚愕」 ≫
第1部:早わかり音楽史、交響曲の誕生、形式美「ソナタ形式」~ハイドンの生涯
第2部:「皇帝讃歌」、「驚愕」交響曲聴き比べ
※使用テキスト「これきから聴きはじめる人のクラシック超入門(野沢龍介監修)」(河出書房新社)

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第1部
□早わかり音楽史、交響曲の誕生、形式美「ソナタ形式」~ハイドンの生涯
まずは簡単に西洋音楽史の紹介をいたしました。
単旋律(モノフォニー)音楽に始まり、多声音楽(ポリフォニー)に以降、そして通奏低音+旋律というバロック音楽の形を音と映像で確認いただきました。

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①グレゴリオ聖歌「めでたし、この祝日」抜粋
聖モーリス及び聖モール修道院ベネディクト派修道士聖歌隊

②ジョスカン・デプレ:モテット「アヴェ・マリア」抜粋
ヒリヤード・アンサンブル

③ブランデンブルク協奏曲第4番ト長調BWV1049~冒頭抜粋
オットー・ビュヒナー(ヴァイオリン)
ハンス=マルティン・リンデ、ギュンター・ヘラー(リコーダー)
カール・リヒター指揮ミュンヘン・バッハ管弦楽団(DVD)

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そして、古典派に至り、バランスと形式が重視されるようになり、弦楽四重奏曲や交響曲というジャンルが確立されていった流れをお話ししました。まさにその両ジャンルで力量を発揮したのがハイドンだったのです。ここで、いわゆる「ソナタ形式」について復習。
モーツァルトの第40番を例に、映像でも確認いたしました。

④モーツァルト:交響曲第40番ト短調K.550~第1楽章(DVD)
カール・ベーム指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

ここまで、音楽を聴くうえで重要なポイントをご理解いただき、ハイドンの生涯を簡単におさらい。5分ほど休憩をとりました。

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第2部
□「皇帝讃歌」、「驚愕」交響曲聴き比べ
後半はハイドンの晩年の楽曲をいくつか聴きました。まずは現在のドイツ国歌を。

⑤ドイツ国家
小澤征爾指揮新日本フィルハーモニー交響楽団

やはり国歌は有名です。ただし、多くの方がオーストリア国歌と勘違いされていたようです。そもそも第1次大戦以前はオーストリア国歌だったわけですから紛らわしいですね。
この原曲であるハイドン作の歌曲「神よ、皇帝を護らせたまえ」(1797年)を。

⑥歌曲「神よ、皇帝を護らせたまえ」
エリー・アメリング(ソプラノ)
イェルク・デームス(ピアノ)

そして、同年弦楽四重奏曲の主題として使われた「皇帝」四重奏曲を。

⑦弦楽四重奏曲第77番ハ長調「皇帝」~第2楽章
アマデウス弦楽四重奏団(DVD)

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本当に美しいメロディです。ナポレオン占領下のウィーンで死に際のハイドンはずっとこのメロディをピアノで奏でていたといいます。そのことを思うだけで胸が詰まる思いです。

さて、いよいよ本題。本日のメインである「驚愕」交響曲について簡単に解説した後、まずはヤンソンス&ベルリン・フィルの2001年ヨーロッパ・コンサートを視聴いただきました。

⑧ハイドン:交響曲第94番ト長調「驚愕」
マリス・ヤンソンス指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

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そして、時間の許す限り聴き比べを、ということでバーンスタイン盤。

⑨ハイドン:交響曲第94番ト長調「驚愕」~第1楽章&第2楽章
レナード・バーンスタイン指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(DVD)

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なるほど、オーケストラが異なるだけでこうも印象が違うのかと感じられたことでしょう。
次回は、モーツァルトの「フィガロの結婚」を視聴します。時間の関係で抜粋になるでしょうが・・・。乞うご期待。