世田谷おとなの学び場4月講座 2013/4/25(Thu)

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「クラシック音楽入門」

■会場:Labo & Townまちなか学童
■主催:NPO法人国際ボランティア学生協会・世田谷イベント事務局
■後援:世田谷区(申請中)

内容
≪ 交響曲第6番ヘ長調作品68「田園」を中心に ≫

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□ベートーヴェンの挑戦と革新
幼少時から父親の虐待に遭い、一方では音楽的才能に長けていたベートーヴェン。彼の音楽人生を一言で表すと「挑戦と革新」、これに尽きると思います。
若い頃から何人もの師につき、方法を吸収します。その中にはハイドンやサリエリもいました。
30歳にならんとする頃、ようやく交響曲を書き始め、作曲家としても一人前として認められました。

そんなベートーヴェンが9つの交響曲で行った革新についてお話し、そして彼の生い立ちも簡単にご紹介させていただきました。

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第3番「エロイカ」で4部分ソナタ形式の確立、そして終楽章における変奏曲の採用、また第5交響曲での第3楽章&第4楽章の連結、同じく「田園」交響曲での最後の3つの楽章の連結、さらに標題交響曲としての性質をもつことなど。

まずは、オットー・クレンペラーの晩年の演奏で第5交響曲の第1楽章と終楽章(抜粋)を視聴しました。

①交響曲第5番ハ短調作品67~第1楽章&第4楽章
オットー・クレンペラー指揮ニュー・フィルハーモニア管弦楽団(1970収録)

微動だにしない悠揚なテンポの「運命」交響曲。最高です。

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この後、難聴のこと、ハイリゲンシュタットの遺書のこと、それが契機になって生まれ変わり、以後「傑作の森」と言われる時期に入り、名作を生み出してゆくことについてもお話ししました。
また、私見ですが、生涯に150回ほどの引っ越しをしたベートーヴェンは、それにより自ずと「断捨離」を経験し、そのことが新しいものを創造する要因にもなっているのではないかと考えます。

最後に、今回のテーマである「田園」交響曲の後半を視聴しました。

②交響曲第6番ヘ長調作品68「田園」~第3楽章、第4楽章、第5楽章
朝比奈隆指揮新日本フィルハーモニー管弦楽団(1989.4収録)

宮沢賢治も愛した「田園」交響曲。彼の「雨ニモマケズ」を紹介しつつ、ベートーヴェンがこの曲に秘めた思いを想像しつつ、彼の人間的側面(強情で自尊心が強く、自分勝手だった面)についても触れました。
今回参加いただいた皆様は全員女性でしたが、楽しんでいただけたようです。
ありがとうございます。