クラシックギターデュオいちむじんコンサート

午後の銀座。
すごくゆっくりと静かに時が流れた。こういう時はものを考えるのにちょうど良い。
昨日の大雪も束の間。輝く太陽の光が気持ち良い(自転車で滑ってこけたけどね)。
お日様によって凝り固まったものもいっしょに解放されて融け出してゆく感じ。

いちむじんを聴いた。
良かった。楽器の生音というのは直接の響きだから彼らの音楽性がなおわかって興味深かった。
途中、2人の楽器の違いを聴き比べということで、「愛のロマンス」、いわゆる「禁じられた遊び」がそれぞれによって演奏された。当然楽器の違いもあろうが、演奏者の違い(体格、感性など)が見事に感じられた。
強いて言うなら、宇高靖人さんの響きは直線的、一方の山下俊輔さんのそれは曲線的。つまり、山下さんが大地や空や宇宙的要素を表現し、宇高さんが人の心というものを表現する、そういう役割を担っているよう。もう少し難しい言葉でいうと、宇高さんがアポロン的、山下さんはデュオニソス的音楽を生み出す力を持っているということかな。

クラシックギターデュオいちむじんコンサート with Music Door
2013年1月15日(火)19:30~
ティアラこうとう小ホール
いちむじん(宇高靖人、山下俊輔)

・龍馬伝(紀行バージョン)
・Desire
・情熱大陸
・ひだまり
・紫陽花
・故郷(宇高靖人ソロ)
・7つの子(山下俊輔ソロ)
・テーマ~映画「ニュー・シネマ・パラダイス」
・初恋~映画「ニュー・シネマ・パラダイス」
・カヴァティーナ~映画「ディア・ハンター」
・ショパン:ノクターン第2番変ホ長調作品9-2
・Made In France
・Rosso Rosa
・Spice
・龍馬伝(紀行バージョン)
アンコール~
・夜更来変奏曲
・?

途中のMCも含めて本当に上手い。掛け合いも漫才のようだし(笑)。
ただ、僕がもう一つ感じたのは山下さんの色がどちらかというと濃く、宇高さんが一歩引いている印象。実際のところはもちろんわからない。でも、ひょっとすると宇高さんがもう少し自己主張を強めるとすごくバランスがとれて「ひとつになる」ようにも思えた(とはいえ、山下さんが自分を殺してはダメ。あのキャラクターは活かして、そして宇高さんがもっと自分の色に染め上げる瞬間があったっていい)。実に偉そうな言い草だけれど・・・(苦笑)。

ところで、セットリストを観た瞬間、なるほど彼らは”Made In France”や”Rosso Rosa”というアップテンポの作品をどちらかというと前面に押し出したい、いや、そういうカラーにしていきたい人たちなのかなとも思った。実際、後半の作品はすごく劇的でかっこ良かったし(とはいえ、いわゆるスローテンポのバラード調のものがダメというではない)。

本日夕方からどうにも体調不良。よってこの辺で締めることにする。アンコールはもう1曲あったのだけれどすっかり忘却の彼方。はて、何だったか・・・。


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