John Lennon & Yoko Ono “Double Fantasy” (1980)を聴いて思ふ

パラレル・ワールド。
世界はすべてが同時に進行する。時空を超えて、僕たちは「ひとつ」だということ。
「篠山紀信展」に触発された。
ジョン・レノンとヨーコ・オノの有名な接吻シーンをとらえた1枚は永遠。
愛だ恋だと、人間世界の情事を超越する透明な世界が見事に再現される様子にあらためて感動した。

凶弾に斃れる直前の「ダブル・ファンタジー」は傑作なのかどうなのか・・・。
5年の休息期間を終え、復帰したジョンを待っていたのは「死」。
いかにも愛と死が表裏なのだということを知る。
それにしても、世界のパラレルを表現したアルバムの、少なくともヨーコのパートに感じた違和感は40年近くを経た今も拭えない。
女性性の明るさと言えば聞こえがいいが、何だか無理をして演じているような違和感。
ジョンのパートがそれを補う。

男と女の会話にしようってことに、決めたもんですから。で、男女の関係って色々難しいわけでしょ。私達も一緒にいて、別れて、また帰って来たとかねまあ、そういう男女の関係の難しい面を私達も経験したから(笑)。それをみんな出して、いわゆる男女の会話っていうか、男女の関係ってものを検討するような、そういうレコードを作ろうってことになったんです。
TOCP-65528ライナーノーツ

John Lennon & Yoko Ono:Double Fantasy (1980)

Personnel
John Lennon (lead, harmony and background vocals, rhythm and acoustic guitars, piano and keyboards, arranger and producer)
Yoko Ono (lead and background vocals, arranger and producer)
Jack Douglas (arranger and producer)
Earl Slick (lead guitar)
Hugh McCracken (lead guitar)
Tony Levin (bass)
George Small (keyboards, piano)
Andy Newmark (drums)
Arthur Jenkins (percussion)
Ed Walsh (Oberheim synthesizer)
Robert Greenidge (steel drum)
Matthew Cunningham (hammer dulcimer)
Randy Stein (English concertina)
Howard Johnson (horns)
Grant Hungerford (horns)
John Parran (horns)
Seldon Powell (horns)
George “Young” Opalisky (horns)
Roger Rosenberg (horns)
David Tofani (horns)
Ronald Tooley (horns)
Tony Davillo (horn arrangements and musical associate)

久しぶりに耳にした”(Just Like) Starting Over”の奇蹟。

Our Life together is so precious together
We have grown – we have grown
Although our love is still special
Let’s take a chance and fly away somewhere
alone
It’s been too long since we look the time
No-one’s to blame, I know time flies so quickly
But when I see you darling
It’s like we both are falling in love again
It’s be just like starting over – starting over

どんな日も再出発。愛は不滅だ、愛は永遠だ。
そして、いつ聴いても感動的な”Woman”の女性讃歌。女は偉大だ。

Woman I can hardly express
My mixed emotions at may thoughtlessness
After all I’m forever in your debt
And woman I will try to express
My inner feelings and thankfulness
For showing me the meaning of success ooh well

ただし、”Kiss Kiss Kiss”についてはどうにも我慢ならない。
この露骨な表現はヨーコならではの前衛性の賜物だろうが、美しくない。

世界はパラレルだ。
時間と空間を超え、あの頃のジョンとヨーコに軽井沢辺りで遭遇したいもの。

最近、ポールが言ってたけど、「ビートルズの奥さんなんて、誰がなりたいんだ」なんて。リンダもとっても大変だったってことですね。本当にね、ビートルズの奥さんっていうのは、大変なんですよ(笑)。しゅっちゅう、人の批判の目の中にいるわけでしょ。だけど、それでもジョンが一生懸命にドラマチックに愛情を訴えてくれたから。それだから、やっとやってけたようなものですよね(笑)。
~同上ライナーノーツ

ジョン・レノンの優しさ。
終わりのない優しさ。
彼の死によってすべては潰えたように見えるが、ジョンの魂は今も生きている。

 

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2 COMMENTS

岡本 浩和

>雅之様

この映画ですね、巷で評判で、しかも僕の周辺でも好評なので観たいと思いつつ実は未だに観れておりません。(爆)
よって、真に残念ながらコメント不可能でございます。
せっかくの機会なので、今更ですが何とか観てみようと思います。
ありがとうございます。
理屈はそのときまでゆっくりお考えください。(笑)

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