考え事

moussorgsky_exhibition_gergiev.JPGさて一休み、といきたいところだが、宿題がいろいろとある。明日は早朝にリソウル株式会社主催の「朝キャリア実践会」で小1時間ほど講師をした後、午後から株式会社ピグマ主催の「人間力オープンセミナー」ゆえ、何かと考えることがある。基本的には積み上げてきたものをアウトプットすることが前提なので特に準備する必要もないのだが、ある程度流れは決めておかないと土壇場で二進も三進もいかなくなるから。

4月にエミング協会主催の「人間力セミナー(仮称)」で講師をすることが決定しているが、そのエミング協会から、2月に全4回の「体験ワークショップ”クスクス”」が開かれるということで、アイスブレイク的な体験ゲームができないか考えてほしいという依頼があったちょっと考えてみたが、何せ15分程度の実習ということである。うーん、難問だ・・・。

それと週末の「早わかりクラシック音楽講座」に向けての資料作り。講座をスタートしてからまる3年が経過するのだが、お陰で音楽を様々な側面から勉強できる。僕が知らなかったこと、あるいはこれまで興味をもって聴いてこなかった音楽、などなど知識が増える。爽快だ。

今日も組曲「展覧会の絵」を聴こうと音盤を取り出した。ゲルギエフ&ウィーン・フィル盤。久しぶりに聴いたが、ゲルギエフの演奏はやっぱり素晴らしい(昨年末に触れた実演も見事だったが)。

ムソルグスキー:
・組曲「展覧会の絵」(ラヴェル編)
・歌劇「ホヴァンシチナ」前奏曲(モスクワ河の夜明け)(ショスタコーヴィチ編)
・交響詩「はげ山の一夜」(リムスキー=コルサコフ編)
・ゴパック(歌劇「ソロチンスクの市」から)(リャードフ編)
ワレリー・ゲルギエフ指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

「展覧会」もさることながら、ムソルグスキーの作曲能力にあらためて驚かされるのは「モスクワ河の夜明け」であり「はげ山の一夜」である。しかもこれらはいずれもロシアを代表する大作曲家によって編曲されている。考えようによっては二人の天才による共作なのだからこれほど「美味しい」音楽はない(それにしても「ホヴァンシチナ」前奏曲は美しい)。ただし、ここのところムソルグスキーを研究していて、いわゆる原典版というものをもっと知りたくなった。「はげ山」の原典版然り、「展覧会の絵」の原典(現在一般に演奏されるピアノ版はリムスキー=コルサコフの校訂によるもの)然り。ゲルギエフは歌劇「ボリス・ゴドゥノフ」の初期稿2種を録音しており、素晴らしい出来を示しているのだが、「はげ山」などもオリジナル稿で録音してもらいたいものである。

ところで明日の「朝キャリア実践会」の詳細は下記の通り。皆様是非ご参加を!

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第4回  朝キャリア実践会
~朝トモと朝時間にキャリアを高めよう!~
1月27日 7:15~8:30@麹町駅徒歩0分
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■今回のテーマ
「人間力」向上の鍵は「あるがまま」にある~人間力ブラッシュアップのためのヒント講座~

「人間力」は本来誰にでも備わっている力です。言うならば、それを「持っている」ことを忘れてしまっているということです。そういう潜在的な力を思い出し、日常的にエクササイズし取り戻すことで、仕事やプライベートにおける「結果の質」が大幅に変化するのです。

今回の朝キャリア実践会では、岡本浩和氏が20年に亘るセミナー講師、1万人に上る個人カウンセリングの経験から学んだ「人間力」についてわかりやすく講義すると同時に、簡単な体験ワークを交え、あなたの潜在的な力を引き出すコツを教示いたします。

■朝キャリア実践会とは?
朝トモと朝時間に、「朝」や「キャリア」に関する勉強や実践をする場です。
毎月第2、第4水曜日に開催しています。(水曜日が祝日の場合は、前日の火曜日開催)

■時間
7:00 受付
7:15  勉強会開始
8:30 勉強会終了
※終了後、お時間のある方は懇親タイムとなります。

■場所   リソウル株式会社セミナールーム  「リソウル麹町ROOM」
東京都千代田区二番町5番麹町駅プラザ9階
※有楽町線麹町駅5番出口の真上ビルの9階です。

■定員   10名

■参加費  1000円(会場費、飲み物代、資料代) ※参加費当日お支払いください。

■今回の講師   岡本 浩和 氏

株式会社オーパス・スリー 代表取締役
米国CCE, Inc.認定GCDF-Japanキャリア・カウンセラー
1964年 滋賀県生まれ
1988年 早稲田大学第一文学部哲学科社会学専修卒業
卒業と同時に株式会社NHKプロモートサービス(現株式会社NHKプロモーション)入社。音楽イベントなどのプロデュース業に携わりながら、一方で人間教育分野にも強い興味を抱くようになる。
1991年 ベンチャー系人材開発、教育会社に転職し、以後2007年1月まで16年間にわたり大学生の就職支援、若手社会人のためのリーダーシップ研修、ストレス・マネジメント研修、コミュニケーション研修など500回以上のセミナーのファシリテーション業務を通じ、延べ10,000人近くに及ぶ個人カウンセリングを経験。
2007年 独立とともにOpus3(オーパス・スリー)創業、これまでのキャリア及びライフ・カウンセリングの経験を生かし、「人間と音楽」をテーマに独自の視点でセミナー主宰、企業研修、講演、執筆活動を行っている。
2009年 株式会社オーパス・スリー設立、代表取締役に就任。

■主催   キャリアトレーニングスクール リソウル株式会社が運営しております。

■お申し込みメールアドレス info(a)careertraining.jp

このアドレスにお名前、会社名、メールアドレス、当日のご連絡先をご連絡ください。


6 COMMENTS

雅之

おはようございます。
私が大昔、学生オケに所属していたころから最近に至るまで、「展覧会の絵」(ラヴェル編)のパート譜や、音楽之友社、日本楽譜出版のポケット・スコアには、誤植等が放置されたままで、特に打楽器には、明らかに間違いと思われるひどいミスが多くあって、買うと興ざめだったのですが、インバル&フランクフルト放送響やアバド&ベルリン・フィルのセッション録音や、チェリビダッケ&ミュンヘン・フィルの来日公演の録音など多く演奏家のCDで、その誤植と思われる箇所をそのまま無批判に解釈に採り入れてたり、解釈に迷っている形跡を感じる部分があったり(複数の箇所あり、指揮者により問題部分は異なりますが)、じつはオタク的な突っ込み甲斐がある曲でもあるのです。
例えば、ご紹介のゲルギエフ&ウィーン・フィルの録音では、「キエフの大門」での練習番号「120」2小節目の大太鼓の解釈が問題部分です(私がいつも勉強させていただいているサイトから)。

http://www.ne.jp/asahi/jurassic/page/oyaji/oyaji_38.htm#ravel
音楽之友社、日本楽譜出版のポケット・スコアで確認できる楽譜に忠実で、チェリビダッケ&ミュンヘン・フィルの来日公演(1986年)も同解釈の「2/2拍子の2拍目」で、私を含めたマニアは大真面目にラヴェルの意図する効果を論じていたのですが、新校訂の、Boosey&Hawkes版や全音オイレンブルク版では、単なる誤植と見做して「3/2拍子の2拍目」にあっさり修正しています。
※参照(もうひとつ、私が勉強させていただいたサイトより)

http://www.hi-ho.ne.jp/tadasu/pictures.htm
このサイトで、
〈ピアノ譜を見て不思議に思うのは、第8曲「カタコンブ」で、3小節目のフェルマータに「クレッシェンド」と指定されていること。こればかりは、いかなる名ピアニストも超絶技巧派のピアニストにも、再現不可能と思うのですが・・・。〉
は、ごもっともなご指摘ですね(笑)。

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愛知とし子

雅之さん
おはようございます!
いつも勉強になるコメントをありがとうございます!!
フェルマータにあるクレッシェンド記号は
耳に聞こえる音だけで判断したら、聞こえませんが
弾き手の中に、その音がクレッシェンドで次の音へ繋がるイメージの意識が必要で音だということを知らせていれば、それは作曲家からみれば、充分に大切で大きな意味のクレッシェンドだと思います。
まぁ、それは、雅之さんだから既におわかりで、ただ単に再現と言う意味からの不可能と言うことをおっしゃられてると思いますが。
いきなり「p→ff」と「p→cresc.→ff」とされていると表現が全く変わります。なので、再現は不可能でも、大切な意味のある記号だと思いませんか?
私が昔レッスンを受けていたとき、ピアノはビブラートがかからないと勝手に思ってましたが、そんなことは無かったときもビックリしましたし、休符がいかに音楽を作る要素のひとつであるか、休符に沢山の表情がある事と一緒で、本当に楽譜には沢山のことが隠されていて、特に書かれている場合(間違ってる場合も多いですが)は、本当に重要であると思っています。
あぁ、今日のこのコメントを読んで、朝から、もう一度楽譜をしっかり勉強しなおさなければと、思いました。
朝から、大切なことを思い出させてくださり、ありがとうございました。
楽譜は何度読んでも、いつも色々な気づきがあります。
今日も練習頑張ります!
今日のメインはチェロの最後の合わせなので、真理子ちゃんが来る前に、もう一度楽譜を読みます!!!

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岡本 浩和

>雅之様
こんにちは。
詳細なコメントをありがとうございます。
>じつはオタク的な突っ込み甲斐がある曲でもあるのです。
ほんとですねぇ。僕は譜面をきちんと読めないのでこれまであまり真剣にみてこなかったのですが、ご指摘のような事実を知るとより勉強したくなりますね。興味は尽きません。
それとピアノ譜の「カタコンブ」のクレッシェンドについても知りませんでした。サイトの指摘どおりなんでしょうが、一方でピアニスト愛知とし子さんの意見もごもっともだと思いました。
いやぁ、音楽って深いですね。

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雅之

>お二人へ
こんばんは。
>再現は不可能でも、大切な意味のある記号だと思いませんか?
>いやぁ、音楽って深いですね。
いや、まったくお二人のおっしゃるとおりです。
演奏で真に大切なことは、楽譜の枝葉末節な矛盾よりも、作曲家が曲に込めた「想い」や「精神」を、演奏者の曲への熱い「想い」や「精神」で、聴く側に大局観を過たず伝えるべく、再創造するということですね。
言うのは簡単ですが、とてつもなく深いですね。

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アレグロ・コン・ブリオ~第4章 » Blog Archive » 時代がムソルグスキーに追いついた

[…] ショスタコーヴィチの第14番交響曲を聴いていて、ムソルグスキーのオペラ「ボリス・ゴドゥノフ」の雰囲気、語法と極めて近い世界を感じる。調べてみると、第14番そのものはムソルグスキーの「死の歌と踊り」の伴奏部を1964年にオーケストレーションしたことが契機になって生み出された作品のようだから、ショスタコーヴィチも19世紀のロシアのこの天才の影響を少なからず(というか大いに)受けているのだろう。少人数の室内楽的管弦楽団によって演奏される音楽だが、まるでロシア・オペラのような土俗的な暗さと懐の深い広大さが全編を覆う。なるほどショスタコーヴィチを理解するにはもちろん彼の作品の実演体験が不可欠なのだろうが、一方でロシア音楽の先達たちの音楽についても克明に研究するべきだと再確認した。 特に、42歳で狂死したモデスト・ムソルグスキーについては知らないこともまだまだ多く、作品についても有名どころを繰り返し聴いて来たに過ぎないから、この際並行して深く追究してゆこうかと考える。 そういえば、ムソルグスキーの「ホヴァンシチナ」前奏曲のショスタコ・アレンジは、以前ゲルギエフによる「展覧会の絵」がリリースされたその音盤に付録でついていたが、ショスタコーヴィチとムソルグスキーの魂のふれあいを間近で感じられるようで(ショスタコらしいスパイスを効かせながら決してムソルグスキーに対する畏敬の念を忘れていない傑作アレンジ)、メイン曲よりむしろそっちの方を一生懸命聴いた記憶が蘇ってきた(嗚呼、通称「モスクワ河の夜明け」よ!)。シャルル・デュトワが昔録音したリムスキー=コルサコフ版と比較して聴いてみると性質の違いが見事に出ていて面白い(ちなみに、アバドがリリースした「はげ山の一夜」オリジナル版が収録されている音盤にもこの前奏曲は入っているけど、こちらはどの版なのだろう?時間が無くて今日は取り出せないが、じっくりまた聴いてみたいところ)。 […]

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アレグロ・コン・ブリオ~第4章 » Blog Archive » ストラヴィンスキー再発見!

[…] ショスタコーヴィチの「レニングラード」交響曲のアメリカ初演を巡って、トスカニーニ、ストコフスキー、クーセヴィツキーの3者が初演の権利を争ったことは有名な話(結局、トスカニーニ=放送初演、ストコフスキー=公開初演、クーセヴィツキー=初録音で折り合いがついたらしいが)。ショスタコーヴィチに限らず、20世紀の米露の音楽地図をひもといてみるといろいろと面白い事実が浮かび上がりそうだ。 レオポルド・ストコフスキーはショスタコーヴィチの作品の米国初演を結構な頻度で担っているが、例えば20歳ほど年長のストラヴィンスキーの場合は、作曲家本人かセルゲイ・クーセヴィツキーに依頼することが多かったよう。というよりクーセヴィツキーは20世紀の著名な作曲家に作品を委嘱し、現代音楽の普及に努めた人だから当然と言えば当然。バルトークのオケコンもそう、ラヴェル編曲の「展覧会の絵」だってそう、メシアンの「トゥーランガリラ交響曲」もそうなのだから、クーセヴィツキーあっての20世紀音楽界と言っても過言でない。 […]

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