閑さや 岩にしみいる 蝉の声

猛暑の中、少しばかり物思いに耽るのにぴったりの音楽。
南国でなく、酷寒の北国から生み出された音楽には、アンニュイで疲れた心身を癒す効果・効能があるようだ。中でもピアノ音楽。もともとこの楽器の音色がことのほか好きだということもあろう。あるいは、先日「音浴」体験をしてみて、打楽器としてのピアノの持つ威力を真正面から感じ取ったからということもあるかもしれない。どちらにせよ、心臓の鼓動と同期する、そんな素敵な音楽に出会ったときには心躍る・・・。

メトネル:
・ソナタ=エレジーニ短調作品11-2(「3部作ソナタ」第2番)
・3つの小品作品31
・ソナタ=バラード嬰ヘ長調作品27
・エレジー作品59-2
イリーナ・メジューエワ(ピアノ)

例によってメジューエワのメトネルは涙を誘う。何て素晴らしい音楽なのだろう。作曲家の魂が音の一つ一つに宿り、喜びも悲しみも、すべての感情が入り乱れて木霊する。胸を締め付けられるようなあくまで静かなる慟哭。ごくごく小音量で、ただひたすら音に耳を傾ける・・・。暑さもぶっ飛び、エアコンが不要になるほど「涼」を感じさせてくれる。ロシアの大地が生んだ、まさに音の冷房装置とでも表現したくなるが、それだとあまりにも下世話で、音楽に似つかわしくない(苦笑)。

そういえば、夕暮れ時久しぶりに蝉の声を聴いた。そう、「閑さや 岩にしみいる 蝉の声」なんていう句を自然に思い出す。

嗚呼、それにしても沈潜してゆくような・・・身も心もメトネルに委ね・・・。
作品31の第2曲は「葬送行進曲」。ベートーヴェンの「運命」の4つの音がモチーフになるこの音楽は、3分弱と短いながら、特別心を打つ。
そして、この音盤のメイン曲である作品27のソナタ!激しい感情の起伏がそのまま音に託され、壮絶なテクニックを超え聴く者の脳みそを直撃する。恐ろしいやら悲しいやら・・・。

いや、生き返った・・・(笑)。メトネル万歳!メジューエワありがとう!


3 COMMENTS

雅之

おはようございます。
メトネルは、聴き込み不足と勉強不足で、ご紹介のCDも当然未聴で、よく知らないです。
こういう時は、また数字遊びのコメントになります。

>メトネル万歳!
お気付きかもしれませんが、メトネルも私と同じく誕生日が1月5日。これだけでも親近感が湧きます(笑)。

メトネル(1880年1月5日 – 1951年11月13日)
ミケランジェリ(1920年1月5日 – 1995年6月12日)
ブレンデル(1931年1月5日 – )
ポリーニ(1942年1月5日 – )

メトネルには、ミケランジェリ以降の、11年周期の法則は当て嵌まりません。では、この4人に適用できる共通の法則は、誕生日の他にはないのでしょうか?

ありました!! 私が発見しました。

この4人が生まれた、1880年、1920年、1931年、1942年は、いずれも木曜日から始まっています(但し、1880年と1920年は閏年)。従って、4人とも1月5日・月曜日に生まれたことになります(私は1月5日・金曜日の生まれ、残念)。

ところで、あるサイトによると、1月5日生まれの人は、こんな性格なんだそうです。

1月5日生まれの人は、
   「実行力と創造力でどんな障害も克服」

  □長所は?□
 
●多才 ●融通がきく ●進歩的 ●人を惹きつける魅力がある ●大胆である ●自由を愛する
●機敏で機転がきく ●好奇心が強い ●謎めいている ●社交的
 
  ■短所は?■

●当てにならない ●ぐずぐずしている ●一貫性がない ●自信過剰 ●変化を好まない

      ☆性格と運命☆
 
●地道で実行力のあるあなたは、困難に直面した時には、大きな犠牲を
 払ってでもそれを乗り越えるすばらしい忍耐力を発揮。
●並外れた潜在能力を持っていますが両極端な面もあり、とても博識で
 公平な半面、まじめすぎて落ち込みやすいところもあります。
●一攫千金を狙った怪しげな計画には関わらないこと。
●冒険や旅行が大好きなあなたは、生まれた国を離れ外国に定住する
 かもしれません。

16歳を過ぎると⇒主体的になって伝統に縛られにくくなり自己表現の欲求が
          高まってきます。
          友情、グループ活動、人道的な問題といったことが、あなたの
          生活のとって重要な要素になってくるでしょう。

次の転機は46歳⇒これを契機に感受性の高まりをさらに重視するように
           なります。
           想像力が豊かになって、人の気持ちを思いやれるように 
           なります。

  ☆仕事と適性☆

●人を相手にするのが得意なので、仲介者、管理者、管理代などの
 仕事で優れた能力を発揮。
●あなたは人々の夢を理解し、望んでいるものを感じとることができます。
●ビジネスでの成功を求めていますが、あなたの本当の才能は教育や
 宗教を通じて人に奉仕するような仕事で発揮されます。
●執筆、演劇、音楽の才能にも恵まれているので、力強い感性を表現する
 場を必要としています。

  ★恋愛と人間関係★

●あなたは人を惹きつける魅力があるので、誰とでも友達になれます。
 また、激しく情熱的に愛を表現します。
●この日生まれの男性は強い女性に惹かれます。
●人との交流はあなたにとって重要ですが、パートナーやその他に人に
 依存しすぎないように。
●いったん完璧な恋人が見つかれば、忠実な愛を注ぎます。
http://froms.way-nifty.com/365/2008/05/15_ba56.html

はいわかりました

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岡本 浩和

>雅之様
こんにちは。

>4人とも1月5日・月曜日に生まれたことになります

おー、これは世紀の大発見!!
しかも、雅之さん自身は微妙にずれているところがこれまたいいですね(笑)

>次の転機は46歳⇒これを契機に感受性の高まりをさらに重視するようになります。想像力が豊かになって、人の気持ちを思いやれるようになります。

ちょうど僕と初めてお会いした頃じゃないですか?!

返信する
アレグロ・コン・ブリオ~第4章 » Blog Archive » ピアニスティックでメロディアスで・・・

[…] ピアニスティックでメロディアスで・・・、ラフマニノフの音楽はいつも哀愁感に満ち、涙を誘う。この24の前奏曲は、ほぼ10年おきに都合20年にわたって書き継がれたものである。それぞれの時代の特徴を表すが、作品32などは全盛期の頃のもので、全く一部の隙もない。 当時、モスクワで同じく名声を馳せていた音楽家はほかにスクリャービンとメトネル。神秘主義を標榜していたスクリャービンは特定の音楽評論家に祭り上げられていたそうだし、メトネルは一部の限られた崇拝者のサークルのみによる閉鎖的な人気だったらしい。その点、ラフマニノフの人気は違う。ロシアの国境をはるかに超える全世界的なものだったよう。 確かに3者の中では最もとっつきは良い。しかし、それだから音楽的に上だとか下だとかは語れない。いずれもが相応の個性を発揮しており、あとは好き嫌いによる。もちろん気分次第で聴き分けるというのもあり。ちなみに僕はいずれの作曲家も好き。 […]

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