コダーイの音楽

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「洞察力」にもいろいろとスキル、テクニックがあることを教わった。
なるほど、直感的に相手を見抜くということはこれまで散々やってきたことだが、統計学的に集積されたデータをもとにした「技術」として捉えていくという方法もあったんだと感心した。あくまで統計ゆえ例外もある。しかしながら、かなりの確率で正確に捉えられるというのだから、こういうことは知っていて損ではない。

もっとも、技術を知ったからといって、すぐさま「洞察力」が向上するわけではないだろう。スキルやテクニックを本物にしていくには相応の「体験」が必要になるからだ。これを機によりたくさんの方に会い、話をし、聴いてみることにしよう。

「悲しき熱帯」が滅法面白い。レヴィ=ストロースのこの体験は70年以上前のものだから、現代に照らし合わせるとその内容に一層乖離があるかもしれないが、それでも非常に説得力があり、かつリアルな筆致が刺激的。先日、この本を読みながらヴィラ=ロボスの音楽に想いを馳せ、ヒナステラなど20世紀南米の音楽を聴き、こういう民俗色の強い音楽は人の心を大いに揺さぶる要素があるものだと思った。かの地の民謡や民俗音楽なるものといわゆる西洋音楽の語法が混じることで得も言われぬ恍惚感を伴った「新しい」音楽が生まれる。古くて新しい懐かしい響きをもつ音楽たち。
Led Zeppelinなんかもどちらかというと彼ら南米の作曲家たちがやろうとした手法、ニュアンスと実に近いものがあるのではないかな。いや、南米までいくとすっ飛び過ぎかもしれない。ヨーロッパの中ではハンガリーの音楽、すなわちロマ(ジプシー)の音楽などに近いか・・・。それもバルトークではなく、どちらかというとコダーイのような。

ケルテス・コンダクツ・コダーイ
・組曲「ハーリ・ヤーノシュ」
・ガランタ舞曲
・ハンガリー民謡「くじゃく」による変奏曲
ジョ ン・リーチ(ツィンバロン)
イシュトヴァン・ケルテス指揮ロンドン交響楽団


根拠は何もない。ただ、この民謡といわゆるクラシック音楽がうまく混成された音楽に魅力を感じるということだけ。ケルテスの指揮も「同郷人だけがもついわゆる安心感」が転写されており、音盤なれど感動的。

もう10数年前になるが、ブダペストを訪問した折、バルトークの住居跡(確か博物館になっていた)とコダーイの生家だったか(こちらも今は記念館になっている)を見て回った。コダーイの記念館の方では、受付の老女が聴きにくい英語でいろいろと説明、案内をしてくれた。飾り時計を指さ して何やら得意そうに語ってくれたが、おそらく「ハーリ・ヤーノシュ」の『ウィーンの音楽時計』のモチーフになったものだったのだろう。親切な女性だったので、お礼の意味も込めてお土産にコダーイのサイン入りの絵葉書を買った。

中世の面影残る中欧はとてもよかった。またいつか行ってみたい。

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コメント(2)

おはようございます。
岡本さんの本文を読んで、以前にも少しコメントしましたが、2007年5月27日に東京文化会館小ホールで聴いた、廻由美子さんの「スーパー・ライヴ」のことを思い出しました。
「大宇宙」と「小宇宙」を組み合せた、とてつもなくセンスのよいプログラムと、ベーゼンドルファーを生かした「音霊」の熱気をビンビン感じとることのできる、それはそれは陶酔し幸せになれたリサイタルでした。


〈プログラム〉
ジョージ・クラム:
マクロコスモス 第2集(1973年)
~黄道十二宮による12のファンタジー~より
(1) 第1曲 モーニング・ミュージック/創世記(蟹座)
      ※プリペアド・ピアノ使用
(2) 第3曲 死の雨のヴァリエーション(魚座)


ベーラ・バルトーク:ミクロコスモス 第6集
(3) 自由な変奏 No.140
(4) 主題と反映 No.141
(5) ハエの日記より No.142
(6) 分割されたアルペジオ No.143
(7) 短2度、長7度 No.144
(8) 半音階的インベンション No.145
(9) オスティナート No.146
(10) 行進曲 No.147
(11)~(16) ブルガリアのリズムによる6つのダンス No.148~153


(17) J.Sバッハ: トッカータ ハ短調 BWV911


アルベルト・ヒナステラ:
ダンス・アルゼンティーノOp.2(1937年)
(18) 1.年とった牛飼いの踊り
(19) 2.優雅な娘の踊り
(20) 3.ずる賢いガウチョの踊り


ジョージ・クラム:
マクロコスモス 第2集より
(21)銀河の鐘の連祷(獅子座)
(22)アニュス・デイ(山羊座)


(23) ビル・エヴァンス: ワルツ・フォー・デビイ


廻由美子さんによる当日のプログラム・ノートより

・・・・・・音を紡ぎ出す一瞬、それは音が舞い降りる瞬間。
作曲する者も演奏する者もその「音」を掬いとり紙の上に書く、あるいは楽器の音に変える。大気の中に漂う「音」が肉体を通して具現する瞬間だ。
宇宙が産声をあげたときから音楽は波動として大気の中を駆け抜け、時には実際の音となって姿を顕わす。
音楽とは時空を超えた音の迷宮ではないだろうか。・・・・・・


(中略)
ベーラ・バルトーク(1881~1945)
「ミクロコスモス(小宇宙)第6集」(1939)
教材として書かれてはいるものの、聴こえてくる音楽は太古の、そして未来の歌。
奥底から湧き上がってくるような野生のリズム、言語が体系化する以前の言葉で呼びかけあい応え合う音楽、それは人間の本能に直接語りかけてくる。
東欧の農民たちに脈々と受け継がれてきた歌や踊り、バルトークはそこに有史以前から存在する音霊(おとだま)を見つけ出す。
(中略)
アルベルト・ヒナステラ(1916~1983)
「ダンス・アルゼンティーノ」(1937)
常にアルゼンチン的なものを超えることを目指す、というアルゼンチン文化の伝統は、超えることによってアルゼンチン文化をアルゼンチン的で深いものにしていく。
舞い上がる砂埃、茜色に染まりゆく夕暮れ、熱狂、勇気、鋭利なナイフ。
強い蒸留酒の香りが鼻をつき、覚醒し、陶酔し、炸裂し、果てる。
(以下略)


ビル・エヴァンスのアンコール曲まで収録された、当日の「完全収録盤」は、超おススめです。
http://www.hmv.co.jp/product/detail/2631182


ご紹介のコダーイ、当然大好きな演奏です。

>雅之様
おはようございます。
以前もコメントいただいた「スーパー・ライブ」についてのご体験、とても羨ましいです。音盤も現時点で未聴ですが、2度目の登場となると、ぜひとも聴いてみないといけないなと思いました。
http://classic.opus-3.net/blog/cat29/post-298/#comments

こんなプログラムを舞台にかけるピアニストは他にいないんじゃないでしょうか?とてもセンス満点だと思います。

「宇宙が産声をあげたときから音楽は波動として大気の中を駆け抜け、時には実際の音となって姿を顕わす。
音楽とは時空を超えた音の迷宮ではないだろうか。」

納得の言葉です。
ありがとうございます。

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