No.015 「2007年を振り返り」 2007/12/30

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2007 年を振り返ってみると、本当にあっという間の怒涛のような1年間であった。会社の退職に始まり紆余曲折を経ながら現在の立ち位置に就くまで不甲斐なくも何ヶ月も要した。とはいえ、2月からスタートしたこの「早わかり古典音楽講座」は、反省点は多々あるものの毎回とても好評で、とてもたくさんの方々にご参加いただき感謝している。

「人間力向上」セミナーや「音楽講座」を通して得た気づき:
人間は誰しも「癒し」を求めている、ということ。
そして「癒し」とは「愛」そのものである、ということ。
「愛」を体得するには他者との「深い交わり」が必要である、ということ。
他者との「深い交わり」を得るには「勇気」が必要である、ということ。
結局、人間にとって重要な徳は「愛」であり、「勇気」であること。そしてその2つがリンクするところに「無境界」の普遍的な「一体感」が生まれる、ということ。

クラシック音楽にも「愛」を喚起し、「勇気」を奮い立たせるものがあり、皆でその「音霊」に一心に耳を傾けることで「ワンネス(一体化)」が生じるということを講座を通して気づけたことは誠に大きい収穫であった。

ここで2007年を総括し、勝手ながら「愛」に満ちたおススメのCDを挙げておく。年末年始の休暇中に聴いてみてはいかがでしょう。

1 .J.S.バッハ:ゴルトベルク変奏曲BWV988
グレン・グールド(ピアノ)CD、DVD
人類の至宝。映像版は必見。第26変奏以降天使が舞い降りる宇宙の音楽。

2.ベートーヴェン:交響曲第6番ヘ長調作品68「田園」
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
びっくりするような遅いテンポの第1楽章。哲学をしながら自然を散策する如くの傑作。

3.ブラームス:ピアノ協奏曲第2番変ロ長調作品83
ヴィルヘルム・バックハウス(ピアノ)
カール・ベーム指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
第1楽章冒頭のホルンとピアノの掛け合いに「愛」を感じるのは僕だけか?
第3楽章はまさに「愛」の楽章。

4.モーツァルト:クラリネット五重奏曲イ長調K.581
ディヴィッド・シフリン(クラリネット)
エマーソン弦楽四重奏団
クラリネットの儚い音色と4つの弦が紡ぎ出すモーツァルト晩年の「愛」の音楽。

2008年もよろしくお願いいたします。