No.020 「『愛知とし子ピアノ・リサイタル』を終え・・・」 2008/5/31

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愛知とし子ピアノ・リサイタル「愛と知と・・・」から早くも1週間が経つ。お陰さまで2週間前にはチケットも完売し、本番を待つのみという状況の中、本人は大きなプレッシャーと闘いながらも直前まで準備に余念なく日々が経過した。
結果的に、「癒し」と「愛」に満ちたとても素晴らしい演奏会になり、ご参加いただいた皆様にこの場をお借りして感謝の意を述べたいと思う。「ありがとうございました!」

「音楽会」というのは演奏者だけのものでなく、その場に居合わせる聴衆とのいわばコミュニケーションが大事で、上からモノをいうような言い方になってしまうが、杉並公会堂であの日あの時間をともに過ごした皆様の「質の高さ」にある意味驚きが隠せない。決してクラシック音楽通の方々ばかりが集まったわけでもないのに、である。結局のところ音楽をよく知っている、知らないは問題ではないのだろう。音楽を楽しもうとする姿勢、感じようとする気持ち、全てが一つになる瞬間・・・。
ともかくお一人お一人が一生懸命何かを聴き取ろうとされている空気が手に取るようにわかり、とても密度の濃い2時間だったんだと改めて実感したのである。

第1曲目のパッヘルベルの「カノン」やベートーヴェンの「熱情」ソナタがとりわけ人気が高かったが、意外だったのはアンコールの最後に弾いた「夕焼け小焼け」愛知とし子編曲バージョン。聴衆はご年配から学生まで幅広く、みなさんやはり心は「日本人」なんだなぁと感じさせられた(ついでに次回のCDに関しては「童謡シリーズ」にしては?という貴重なご意見もいただき、ピアニストともども感謝の念でいっぱいである)。
それにしても人間の感性は多種多様、十人十色。ショパンがよかった。いや、ベートーヴェンだ。いやいや、私は「カヴァレリア」だなど、当たり前だが、人によって好みが分かれる。とはいえ、たくさんの方に「どこかで聴いたことのある音楽ばかりでとても良かった」という意見をいただけたことが一番大きい。やはり、お客様に楽しんでいただくことが第一だから。
ちなみに、当日いただいたアンケートから印象に残るものを抜粋でいくつか挙げさせていただく。

素晴らしいリサイタルでお世辞抜きで大変感動しました(最後の「熱情」!!)。選曲やアレンジもセンスが良いと思いました。・・・

知っている曲ばかりで嬉しかった。クラシックの初心者にとっては丁寧で、ちょっと得する知識を得られる解説があって、より親しめた。・・・

演奏される愛知さんの姿がお美しく、惚れ惚れしてしまいます。音楽とともに目も美しきものに恵まれ、とても幸せな心地です。アンコールの「夕焼け小焼け」もとても良かったです。・・・

本日は素晴らしい演奏会の成功おめでとうございます。先日リリースなさったCD何度も聴いてます。本日のコンサートもとっても楽しみにしておりました。ノクターン2番は私がはじめてショパンを弾いた曲で中2の時に練習した思い出の曲。幻想即興曲は中3の時に練習して以来28年ぶりにリハビリし、大人になって再開時にはじめて練習した思い出の曲です。・・・

柔らかくて暖かくって本当に心地よい曲でした。ありがとうございます!!また伺います。・・・

このほかにも貴重なご感想がたくさんあり、全部を紹介しきれないのがとても残念だ。
次回は11月。またよろしくお願いいたします。