Music Door Academic 2012/8/18(Sat)

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「Music Door Academic~ドビュッシー生誕150周年記念リサイタル」

内容
≪ Music Door Academic~ドビュッシー生誕150周年記念リサイタル ≫
□日時:2012年8月18日(土)19:00開演
□会場:ティアラこうとう小ホール
□出演:徳川眞弓(ピアノ)、仙波知司(朗読)、岡本浩和(ナビゲーター)
□プログラム:
・ドビュッシー:前奏曲集第1巻~第8曲「亜麻色の髪の乙女」
・ショパン:練習曲ホ長調作品10-3「別れの曲」
・ショパン:スケルツォ第2番変ロ短調作品31
・ショパン:ポロネーズ第6番変イ長調作品53「英雄」
・ドビュッシー:アラベスク第2番
休憩
・ドビュッシー:子供の領分(詩/谷川俊太郎)
・ドビュッシー:前奏曲集第1巻~第10曲「沈める寺」
アンコール~
・グルダ:アリア
主催:Maggiolata(マッジョラータ)

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前半はドビュッシーからスタートし、彼が敬愛したショパンの作品をサンドイッチし、そしてまたドビュッシーに戻るという構成。お客様にはショパンの生き様、特にジョルジュ・サンドとの関係についてお話をし、楽曲誕生の背景をご理解いただいた上でご堪能いただきました。サンドの猛烈なアタックに躊躇しながら、まだ忘れ得ぬ婚約者マリア・ヴォジンスカとの間を揺れ動いたショパン。そんな時期に書かれたスケルツォと、サンドとの蜜月の絶頂期に生み出された英雄ポロネーズとの対比が興味深いところです。

15分の休憩後後半へ。

谷川俊太郎さんに書き下ろしていただいたという詩と音楽のコラボ。「子供の領分」がより一層親しみやすい音楽に変化します。徳川さんの中心線のしっかりした安定感のあるピアノと仙波さんの朗読の波長が見事にシンクロし、すてきな空間を生み出していたように思われます。
そして、「沈める寺」!実はこの曲にも谷川さんに詩の依頼をされていたそうです。しかしながら、どうしても昨年の東日本大震災のことを思い出してしまって書けないというお断りのメッセージがあったとか。そんなエピソードを徳川さん自らご紹介いただいて演奏されたこの音楽は真に絶品でした。
アンコールはフリードリヒ・グルダの「アリア」。何とジャジーで自由なこの音楽には譜面が存在しません。グルダならではの音楽!!
ショパンからドビュッシーへ、そしてドビュッシーからジャズへとつながるピアノ音楽の系譜が一望できたそんな一夜でした。