第12回 早わかりクラシック音楽講座 2008/1/27(Sun)

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「ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番~愛の成就と喪失」

■内容
≪ ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番~愛の成就と喪失 ≫
第1部 ピアノ生演奏(Piano:愛知とし子)
第2部 ラフマニノフの成育歴、第2協奏曲成立前史&楽曲構成解説
第3部 再度全曲を聴く!

第1部
□ピアノ生演奏 (Piano:愛知とし子)
①エルガー:愛の挨拶(ピアノ独奏版)
昨年生誕150年であった英国の大作曲家エルガーの「威風堂々」と並ぶ有名な曲。誰もがご存知の愛らしいメロディーが特徴です。
②バルトーク:アレグロ・バルバロ
パリの批評家たちに「野蛮人」と評されたことを逆手に取り、若きバルトークが作曲した佳品。EL&Pによりロック音楽にもアレンジされたことのある刺激的な作品です。
③ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ
ルーヴル美術館にあった17世紀スペインの宮廷画家ベラスケスが描いた若い王女の肖像画にインスピレーションを得て作曲した静かな音楽です。
④リムスキー=コルサコフ:熊蜂の飛行(ラフマニノフ編曲)
歌劇「サルタン皇帝の物語」第3幕で使われる音楽。今回はラフマニノフがピアノ独奏用にアレンジしたバージョン。熊蜂の羽音を模した親しみやすい曲調です。

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第2部
ラフマニノフの成育歴、第2協奏曲成立前史&楽曲構成解説
幼年時代の「愛情不足」による精神的不安定さ。一方、作曲など音楽的才能は抜群。
交響曲第1番の初演失敗により神経衰弱に陥るが、ダーリ博士の催眠療法により自信を取り戻し、「闇」から差す「一条の光」の如くの存在のような名曲ピアノ協奏曲第2番が生まれました。

□楽曲構成を知る
アルトゥール・ルービンシュタイン(ピアノ)
ユージン・オーマンディ指揮フィラデルフィア管弦楽団
比較視聴(一部)
スヴャトスラフ・リヒテル(ピアノ)
ヴィスロツキ指揮ワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団

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第3部
再度全曲を聴く!合計30分強のこの楽曲を、今度は「心」で感じるよう聴いていただきました。第2楽章の哀愁感に酔う人、第1楽章の「祈り」に感動する人、そして何より親しみやすいメロディーと構成に感動する人、など様々でした。「のだめカンタービレ」でも演奏されたらしく、にもかかわらず全曲をきっちりと聴いた方が少ないことが意外でした。
クリスティアン・ツィマーマン(ピアノ)
小澤征爾指揮ボストン交響楽団

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終了後、番外:ロック講座
Emerson, Lake & Palmer:The Barbarian
Yes:Close to the Edge、And You And I
Asia:Heat Of the Moment
Boston:More Than A Feeling
Serge Gainsbourg:Lemon Incest

参加者10名のうち7名が今回初の参加でした。着実にファン(笑)が広がっている様子です。いつものように終了後は「おでん」パーティーを開き、夜遅くまで様々な芸術論で盛り上がりました。プログレ・ロック(EL&PやYesなど)を聴いたり、セルジュ・ゲーンズブールが娘のシャルロットとデュエットしたショパンの「別れの曲」をモチーフにしたフレンチ・ポップを聴いたりと、音楽はジャンルを超えて不滅です。

※今回参加いただけなかった方々のために2月23日(土)に補講を開催します!詳細はこちら