「早わかりクラシック音楽入門講座」
≪ プッチーニ:歌劇「蝶々夫人」 ≫
第1部:プッチーニ&「蝶々夫人」のこと、第1幕&第2幕冒頭鑑賞
第2部:第3幕鑑賞
※使用テキスト
・「クラシックの作曲家たち(萩谷由喜子著)」(ヤマハミュージックメディア)
・あらすじで読む名作オペラ50(世界文化社)
第1部
□プッチーニ&「蝶々夫人」のこと、第1幕&第2幕冒頭鑑賞
長崎を舞台にしたプッチーニ渾身の傑作「蝶々夫人」を鑑賞しました。
100余年前のミラノでの初演時は、そのエキゾチックな舞台、音楽に聴衆がついていけず、不評であったこの作品も、トスカニーニらの助言で作曲家が改訂、3ヶ月後の再演では成功を収めました。現在ではその2年後にパリ上演のために再度推敲された版が使用されるのが常ですが、いずれにせよこの作品からは当時の欧米人から見た日本のイメージを垣間見ることができ、ストーリーを楽しむだけでなく、様々な気づきを与えてくれます。
例えば、どちらkというと白人至上主義的な考えが前提にあるとも考えられますし、かつての日本人の根底にあった武士道精神など、うがった見方をすれば現代の諸問題にも通底するヒント、あるいは日本人が失ってしまったものなどを思い出すきっかけにもなるかもしれません。
オペラの成立事情を簡単に説明した後、まずは第1幕と第2幕冒頭の蝶々さんの有名なアリア「ある晴れた日」までを鑑賞いただきました。
①歌劇「蝶々夫人」第1幕&第2幕冒頭
フィオレンツァ・チェドリンス(ソプラノ、蝶々さん)
マルチェッロ・ジョルダーニ(テノール、ピンカートン)、ほか
ダニエル・オーレン指揮アレーナ・ディ・ヴェローナ管弦楽団&合唱団(2004.7.10Live)
フランコ・ゼッフィレッリ(演出)
5分間の休憩後第3幕を。
第2部
□第3幕鑑賞
日本人としてはやはり少々の違和感を感じさせる舞台ではありますが、お決まりの悲劇的ストーリーもさることながら、その圧倒的な音楽の力に舌を巻きます。
イタリア・オペラの真髄、歌心をこれほど堪能させてくれるオペラはなかなかないように思います。さらに、最初から最後まで出ずっぱりの蝶々さん役を十分こなすチェドリンスの歌唱も素晴らしく、あっという間に2時間が経過しました。
次回はマーラーの交響曲第5番を採り上げます。
お楽しみに。