「早わかりクラシック音楽入門講座」
内容
≪ ベートーヴェン:交響曲第5番ハ短調作品67「運命」 ≫
第1部:作曲家に関するエピソード、時代背景、音楽について
第2部:交響曲第5番視聴
※使用テキスト「オヤジのためのクラシック音楽入門(帯金充利著)」(新泉社)
第1部
□ベートーヴェンの生き様、当時の時代背景、音楽の秘密
テキストを片手に、ベートーヴェンの生い立ち、すなわちアルコール中毒の父親からの虐待や音楽教育の名の下になされたしごきによる精神的トラウマが作曲家の精神の根底にあること、そして時代背景としてフランス革命による市民層の台頭などを同時代的に体感したことがベートーヴェンの音楽に底流するものであることをまず知っていただきました。
例えば、苦悩から解放へ、闘争から勝利へ、あるいは暗から明へというベートーヴェン生涯のモチーフは、上記のような生き様から自然発生的に生まれ出たものであることを理解することが重要です。
そして、ルールの中でいかに革新的なことをやってのけるか。ベートーヴェンの偉大さは常にその挑戦を忘れなかったことですが、「運命」交響曲における革新ポイントをCDを聴きながら教示させていただきました。
①交響曲第5番ハ短調作品67~第1楽章
カルロス・クライバー指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
交響曲の一般的形(急→緩→急→急)、ソナタ形式について
第2部
□交響曲第5番視聴
「運命」のモチーフが当時のベートーヴェンの諸作品にも表れていることをチェック。
②ピアノ・ソナタ第23番ヘ短調作品57「熱情」~第1楽章冒頭
エリック・ハイドシェック(ピアノ)
③ヴァイオリン協奏曲ニ長調作品61~第1楽章冒頭
チョン・キョンファ(ヴァイオリン)
クラウス・テンシュテット指揮ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
さらに、テキストのポイントを確認しつつ、朝比奈隆指揮による映像(DVD)を視聴しました。
④交響曲第5番ハ短調作品67~第1楽章
朝比奈隆指揮大阪フィルハーモニー交響楽団(2000.5Live)
そして、最後に全曲視聴(BD)。
⑤交響曲第5番ハ短調作品67
クリスティアン・ティーレマン指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
いわゆる「運命」交響曲というのは、21世紀の今でもクラシック音楽入門の登竜門だとあらためて確信しました。これほどまでに凝縮され、緊張感に溢れる作品が他にあるでしょうか。
次回は、ドヴォルザークの「新世界」交響曲を採り上げます。
*主催:すみだ学習ガーデン
*会場:すみだ生涯学習センター