「早わかりクラシック音楽入門講座」
内容
≪ ドヴォルザーク:交響曲第9番ホ短調作品95「新世界より」 ≫
第1部:作曲家に関するエピソード、時代背景、音楽について
第2部:交響曲第9番視聴+比較視聴
※使用テキスト「オヤジのためのクラシック音楽入門(帯金充利著)」(新泉社)
第1部
□チェコという国、当時の時代背景、ドヴォルザークの人と生き方
まずはチェコという国を紹介。1620年~1918年まで植民地化され、自由のなかった国。しかしながら国民は勤勉で、かつ音楽好きということもあり、後世のチェコ音楽発展の土台はすでにこの頃から芽生えていたといえます。特に1780年代にモーツァルトが好んでプラハを訪れたこともチェコという国の音楽史に少なからず影響を与えます。
そして、19世紀のヨーロッパ全土にわたる自由民権運動の刺激ともあいまってナショナルリズムの高まりと同時にチェコもようやく独立に向け、政治的にも動き出すことになるのです。
そういう過渡期に一生を送ったドヴォルザークの民族主義的側面と革新性(絶えず新たな音楽を模索しようとする姿勢)についてまずはお話をしました。
ドヴォルザークの生涯で大きな転換点はブラームスとの出逢いでしょう。
オーストリア奨学生のとして5回も権利を得、ブラームスにその才能を認められたことが作曲家としてのデビューのきっかけでした。
彼はブラームスに敬意を示し、ハンガリー舞曲集に倣い、独自の語法でスラヴ舞曲集を創作しました。
まずは、そのあたりから聴いてみました。
①ブラームス:ハンガリー舞曲第5番&第6番
②ドヴォルザーク:スラヴ舞曲第10番
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
そして、1891年頃からアメリカ赴任を打診され、最終的に1892年秋にアメリカに渡った頃のエピソードも少しお話しし、その頃の作品から弦楽四重奏曲を聴いてみました。
③ドヴォルザーク:弦楽四重奏曲第12番ヘ長調作品96「アメリカ」~第1楽章
アルバン・ベルク四重奏団
いかにもドヴォルザークらしい哀愁感に満ちた旋律に酔い痴れて・・・。
第2部
□交響曲第9番「新世界より」視聴
「新世界」交響曲の構造を簡単に紹介。
聴きどころを確認して早速BDを視聴しました。
④交響曲第9番ホ短調作品95「新世界より」
クラウディオ・アバド指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(2002.5.1Live)
全曲鑑賞後、比較視聴ということで、皆様にどの楽章を聴いてみたいかとアンケートを取ったところ、
何とやはり第4楽章が人気でした。
ということで、第4楽章のみ比較視聴を(DVD)。
⑤交響曲第9番ホ短調作品95「新世界より」~第4楽章(DVD)
セルジュ・チェリビダッケ指揮ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団(1991Live)
何度聴いてもこの盛り上がりは最高です。
次回は、チャイコフスキーの「くるみ割り人形」を採り上げます。
*主催:すみだ学習ガーデン
*会場:すみだ生涯学習センター