「早わかりクラシック音楽入門講座」
内容
≪ ブラームス:クラリネット五重奏曲ロ短調作品115 ≫
第1部:ブラームスの生い立ち、シューマン夫妻との出逢い、そして晩年
第2部:クラリネット五重奏曲を視聴する
※使用テキスト「オヤジのためのクラシック音楽入門(帯金充利著)」(新泉社)
第1部
□ブラームスの生い立ち、シューマン夫妻との出逢い、そして晩年
幼少期のブラームスの父母のこと、家庭のことについてお話をさせていただいた後、作曲家としてデビューするきっかけとなったロベルト&クララ・シューマン夫妻との出逢いについて少々講義させていただきました。
まだまだ音楽家として十分な実績を持たず、自信のなかった自分をこれほどまでに評価してもらえたことに対する喜びと同時に不安やプレッシャーも若きブラームスを襲います。
とはいえ、「音楽新報」へのシューマンの紹介記事がきっかけで新しい作品をどんどん生み出してゆくブラームスの創造力はますます高まってゆきます。ヨアヒムやレメーニとの出逢いも彼にとってはプラスでした。彼の音楽をより一層世に広める役割を果たしたのが「ハンガリー舞曲集」です。
まずはヨアヒム編曲による「ハンガリー舞曲」第1番を聴いていただきました。
①ハンガリー舞曲第1番(ヨアヒム編)
アーロン・ローザンド(ヴァイオリン)
ヒュー・ソン(ピアノ)
そして、室内楽曲の初期の名作弦楽六重奏曲を映像で。
有名な第2楽章のみを視聴しました。
その後、ロベルト没後のクララとの関係について少し触れながら、時間の関係で一気に晩年の作曲家周辺の話をさせていただきました。
1891年頃のクララとの仲違いやブラームスがクララに歩み寄ることで仲直りができたという話。
あるいは愛する姉を亡くしていよいよ天涯孤独になったというお話など。
ここでブラームスがクララとのよりを戻すきかっけになった作品を。
クララのために書いた作品118と119から1曲採り上げました。
③6つの小品作品118-2
ニコライ・ルガンスキー(ピアノ)
第2部
□クラリネット五重奏曲を視聴する
今回のメインの作品となるクラリネット五重奏曲。1891年夏、名クラリネット奏者リヒャルト・ミュールフェルトとの出逢いがブラームスの枯渇した創造力を刺激します。彼のために5曲ものクラリネットにまつわる作品を書いたブラームス。いずれもが晩年の諦観を見事に再現し、深い味わいを持つ音楽です。
④クラリネット五重奏曲ロ短調作品115
ポール・メイエ(クラリネット)
イェルサレム四重奏団
梅雨時の鬱陶しい時期、今回も素敵な音楽を堪能していただきました。
次回はベートーヴェンのピアノ・ソナタ「熱情」を採り上げます。
*主催:すみだ学習ガーデン
*会場:すみだ生涯学習センター