「早わかりクラシック音楽入門講座」
内容
≪ シューベルト:歌曲集「冬の旅」D911 ≫
第1部:シューベルトのこと、歌曲について、「冬の旅」第1部を聴く
第2部:「冬の旅」第2部を聴く
※使用テキスト「オヤジのためのクラシック音楽入門(帯金充利著)」(新泉社)
□シューベルトのこと、歌曲について、「冬の旅」第1部を聴く
シューベルトの生涯をかいつまんで紹介。幼少時から音楽的才能に長けていたこと、父親には逆らえず一旦は教師になるものの、二転三転、結局プロの作曲家として自立してゆくのに相当な時間を要したこと、いわゆるフリーターであった間、シューベルトの才能を買っていた友人たちが彼を大いにサポートしたことなどをお話しいたしました。
まずは、ゲーテの詩に音楽を付けた有名作「野ばら」を聴きました。
①「野ばら」D257作品3-3
バーバラ・ボニー(ソプラノ)
ジェフリー・パーソンズ(ピアノ)
そして、「ます」。
②「ます」D550作品32
イアン・ボストリッジ(テノール)
ジュリアス・ドレイク(ピアノ)
21歳頃から本格的に自立をめざし、舞台作品を中心に作品を生み出してゆくこと、そしてわずか31年という短い生涯の最晩年にヴィルヘルム・ミュラーの詩に出逢い、それを基に「冬の旅」の作曲を思い付き、完成させたこと、その内容は「失恋した若者の放浪の旅」がテーマになる暗いものであること、などを紹介。実際に「冬の旅」に触れる前に、2曲ほど歌曲を聴いていただきました。
1816年作の「子守歌」。
③「子守歌」D498
リタ・シュトライヒ(ソプラノ)
エリック・ヴェルパ(ピアノ)
そして、1823年作の「水の上で歌う」。ピアノの前奏から本当に美しい最高の音楽です。
④「水の上で歌う」D774作品72
バーバラ・ボニー(ソプラノ)
ジェフリー・パーソンズ(ピアノ)
さて、ここまでをざっと通し、いよいよ「冬の旅」の鑑賞です。
デヴィッド・オールデン演出、イアン・ボストリッジの歌による映像です。
⑤歌曲集「冬の旅」D911~第1部
イアン・ボストリッジ(テノール)
ジュリアス・ドレイク(ピアノ)
第2部
□「冬の旅」第2部を聴く
数分の休憩後、第2部を鑑賞。
真に暗い音楽です。しかし、青年は勇気を見出し、ありのままの姿の辻音楽師に自分を重ね、生への希望が芽生えるのです。
それにしてもボストリッジの俳優並みの表現力は抜群です。
次回は最終回、愛知とし子ピアノ・コンサートです。乞うご期待!