「早わかり『癒し』のクラシック音楽」
≪ 滋賀短期大学 公開講座(教養講座) ≫
早わかり「癒し」のクラシック音楽~音楽を聴いて元気になろう~
「のだめカンタービレ」や「ピアノの森」といったマンガの影響による昨今のクラシック音楽のブーム。クラシック音楽は好きだけど、どこからどういう風に聴けばよいかわからない・・・という初心者・入門者のためにピアノ演奏を交えながら、クラシック音楽の「癒し」を楽しく、わかりやすく説明します。
◆日時:10月21日(火)13:00~14:30
◆会場:滋賀短期大学
〒520-0803 滋賀県大津市竜が丘24-4(地図)
TEL 077-524-3605(代表)FAX 077-523-5124
◆費用:¥1,000
◆参加者:約100名
◆講師:岡本浩和
◆ピアノ:愛知とし子
内容
第1部(60分)
□クラシック音楽を聴けば癒される?!~音楽は世界共通語!
□クラシック音楽を聴けば頭が良くなる?!
□クラシック音楽を聴く喜びを知ろう!
第2部~ピアノを聴こう!(30分)
□愛知とし子ミニ・コンサート
第1部
□クラシック音楽を聴けば癒される?!~音楽は世界共通語!
「癒し」の真髄はコミュニケーション、それも表層的な交流ではなく、人と人が深く交わるときに生ずる現象であることをわかりやすく解説しました。音楽を聴くという行為も、実演を通して「演奏者を感じること」、「空間を共にすること」によって初めて素晴らしい体感ができるのだということを力説しました。ただし、CDやレコードもおざなりにできません。楽曲を事前に予習したり、聴いてよかったと思う音楽を復習(何度も繰り返して聴く)するためのツールとして最適なのです。
また、いわゆるポピュラー音楽など言語を持つ音楽はどうしても歌詞の意味を知ろうと頭で考えてしまいます。言葉には「壁」があります。例えば、モーツァルトの「きらきら星変奏曲」などは、その主題が当時のフランス民謡からとられており、現代の日本においては「きらきら星」の音楽として老若男女問わず誰もが知っているメロディであることを考えると、まさに世界共通語であり、何百年という歴史を持つクラシック音楽を通して「感じる」ということを体得することが大事だと思います。
□クラシック音楽を聴けば頭が良くなる?!
人間は、物事に興味を持ったり好きになったりすると(歴史や人間など)その背景に興味を持ち、勉強するようになります。好きなメロディを見つけ、繰り返し聴いて感じる、そして音楽を覚え、理解することで頭が良くなるのです(これは私の勝手な考えですが)。私の場合、高校生の時にテレビで聴いた音楽によりクラシックの世界に開眼し、以後世界史や人間に興味を持つようになりました。現在の仕事の下地はすでにこの頃から芽生えていたことがわかります。
□クラシック音楽を聴く喜びを知ろう!
クラシック音楽は難しくありません。決して高尚なものでもないのです。また、聴いて眠くなったら堂々と寝てしまえばいいのです。とにかくお気に入りの音楽をみつけるところから始めることです。
※CDを聴く
①ショパン:英雄ポロネーズ~冒頭部分
マルタ・アルゲリッチ(ピアノ)
②モーツァルト:交響曲第40番ト短調K.550~第1楽章冒頭部分
ブルーノ・ワルター指揮コロンビア交響楽団
そして、繰り返し聴くこと。英会話やカラオケ同様、反復によって覚えてしまうのです。さらにルールを把握し(例えばソナタ形式など)、音楽が創られた時代背景を知ることで、より音楽に対する理解が深まるのです。
※CDを聴く
③モーツァルト:ピアノ・ソナタ第15番ハ長調K.545~第1楽章
リリー・クラウス(ピアノ)
第2部~ピアノを聴こう!
□愛知とし子ミニ・コンサート
①マスカーニ:歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」間奏曲(愛知とし子編曲)
②モーツァルト:フランスの歌「ああ、お母さん聞いて」による12の変奏曲ハ長調K.265(300e)
③J.S.バッハ:主よ、人の望みの喜びよ(愛知とし子編曲)
④ショパン:幻想即興曲嬰ハ短調作品66(遺作)
⑤ショパン:ポロネーズ第6番変イ長調作品53「英雄」
トークを交えながら、30分ほどのミニリサイタル。さすがに、事前の60分間の講義で、演奏者を感じてくださいと口を酸っぱくお願いしたゆえ、100名近くの聴衆の姿勢も真剣そのものでした。とても良いコミュニケーションができたのではないかと思います。
90分という短い時間でありましたが、クラシック音楽を聴く喜びを多少なりとも知っていただけたようで素晴らしいひとときを過ごすことができました。感謝いたします。