すべてはエルヴィスから始まった

elv1s_30_1_hits.jpgどんなことにも始まりはある。いきなりブレイクすることもあれば、遅々として進まず、混沌とした時期を経ながら、突然ある瞬間に爆発することもある。低空飛行がしばらく続くと、誰でも萎えてくる。もうこれは無理なんじゃないか、駄目なんじゃないか、と思ったら最後。信じられなくなるのだ。信念を曲げず、諦めないこと。

ロックの歴史をひもとくと、非行性と暴力性、つまり反社会性の象徴としてのロック音楽の先駆けとなったのが50年代末のエルヴィス・プレスリーの登場だったことがわかる。腰を振り、セックス・アピールを売り物にする。当然「大人の世界」、「教育界」からは反感を買う。そういう反発を受けても、そうであればあるほど若者はのめりこみ、彼の音楽はますます支持された。そう、エンターテインメントとしてのロック音楽を作り上げたのが他ならぬエルヴィスだった。

彼の代表的な音楽を1枚に収めているコンピレーション盤は、50年の時を経た今聴いてみても、音の作りはさすがに古めいているものの、「新しさ」にまったく変わりがない。当時の若者が血道を挙げて彼の音楽を支持したのも頷ける。シンプルかつキャッチーで、しかもセクシーで、歌が上手いのだから当然だ。

Elvis Presley:ELV1S 30 #1 Hits

ナンバーワン・ヒット・シングルだけを集めた傑作CD。時空を越えて、輝き続ける楽曲の数々。とにかく元気になる。そして結果的に癒される。

ところで、7月からエルーデ*サロンが本格始動した。これまでにない支援型コミュニティ・サロンとして関わる各々が才能を開花できる、そしてそれが社会貢献につながる、そういう「場」にできればと切に願う。ここのところ、時間を見つけ、関わってくれるスタッフや会員の皆さんと個別でお話しする機会を設けているが、お互い想いや夢を語り出すと、時間がいくらあっても足りないほど話は尽きない。ひとりひとりが軸を確立し、協力し合い、つながりながら「新しいもの」を創造することって何て刺激的なんだろう。

いよいよ、始まる。楽しみである。

昔、村野武範主演の「飛び出せ!青春」という学園ドラマが流行ったが、あれ好きだったなぁ。

村野扮する河野先生はニックネームを「ビギン」って言ったっけ・・・。どうしてそういうあだ名だったのか、詳細はすっかり記憶にないが、ふとあのドラマを思い出した。それに、青い三角定規が歌った主題歌、「太陽がくれた季節」はほんとに名曲だった。

3 COMMENTS

雅之

おはようございます。
エルヴィス・プレスリー、そして「飛び出せ!青春」!! まさに青春ですねえ!! 
「太陽がくれた季節」!! 懐かしい!!! 涙が出そうです。
夏、太陽、っていうのは青春の象徴ですねえ。
石原慎太郎(現・東京都知事)の短編小説『太陽の季節』(1955年発表同年第1回文学界新人賞、翌年第34回芥川賞を受賞)を高校時代に読んだことがあります。読了当時は親世代の青春残酷話にあまりピンと来ませんでした。むしろ当時の芥川賞受賞作、三田誠広 の『僕って何』や 池田満寿夫の『エーゲ海に捧ぐ』(両方、1977年上半期、第77回受賞作品)のほうがずっと面白かったです。
でも、人生経験を重ねた今なら、読み返したいのは断然『太陽の季節』です。
http://www.youtube.com/watch?v=CmKOqWx8aec
<あらすじ>
ハイ・スクールの学生津川竜哉は、拳闘に興味を持つタフな若者だった。
ある日、彼は遊び仲間の佐原や江田たちと銀座に出た。持ち合せた金の不足から、彼等は素人娘をさそって遊ぶことに決め、とある帽子屋から出て来た武田英子ら三人に目をつけた。遊び廻る途中も、竜哉は英子を独占していた。
やがて試合の日、竜哉はTKO勝ちしたが傷を負った。待ちかまえていた英子は自分の車で彼を病院に送り届け、次いで二人きりの夜を過した。夏に入る前、英子は逗子にある竜哉の家を訪れ二人は初めて肉体関係を結んだ。その後、ナイトクラブで英子がバンド・マスターと踊っているのを見た竜哉は、カッとして男を撲り倒した。
八月のある日、海に漂うヨットの上で抱き合った二人は始めてお互いに愛情を感じ、英子も、自分が女であることに自信をもった。しかし竜哉は愛情を捧げる英子をうるさがり、英子の体を兄道久に五千円で売り渡してそのまま拳闘の合宿に入った。英子は竜哉と会って、自分の体が売物になったことを知った。だが竜哉が本当は自分を愛していると知る英子は道久に五千円を払い戻した。
十月になって、子供が出来た英子に竜哉は始末しろとハッキリ言い渡した。英子は妊娠中絶手術の経過が悪く、ついに死亡した。葬式の日、竜哉は英子の家に突然、姿を見せた。列席者のとがめるような視線をはね返した竜哉は祭壇に進み、彼に挑むような笑顔の英子の写真を見詰めた。突然、竜哉は香炉を英子の写真に叩きつけ、驚く人々に「あんたたちにゃ、何も判りゃしないんだ!」と叫んで広間を飛び出して行った。・・・・・・
そういえば昔、『太陽がいっぱい』(たいようがいっぱい、仏:Plein soleil 1960年のフランスとイタリアの合作映画)っていう名作中の名作もありました。あれはテーマ音楽も最高の中の最高だったです。今思い出したんですが、故 淀川長治さんが、この映画のホモ・セクシャル性について指摘されていて、鋭い着眼点だと感心したことがありました。
↓無茶苦茶懐かしくて泣けました!!
http://www.youtube.com/watch?v=bT0UVdlguOo
<あらすじ>
トム・リプレイ(アラン・ドロン)は、フィリップ(モーリス・ロネ)と酔っぱらってナポリに遊びにきた。近くの漁村モンジベロからだ。–トムは貧乏なアメリカ青年だ。中学時代の友人・金持のドラ息子フィリップを、父親から頼まれて連れ戻しにきたのだ。五千ドルの約束で。
フィリップにはパリ生れのマルジェ(マリー・ラフォレ)という美しい婚約者がいた。–ナポリから帰った時、アメリカから契約をやめる手紙が来ていた。フィリップが約束の手紙を出さなかったからだ。トムが邪魔になっていた。
友人のパーティーに向うヨットの上で、トムはますます彼からさげすまれた。裸でボートに放り出され、全身が火傷のように日焼けした。–彼は決意し、まず小細工をして、マルジュとフィリップに大喧嘩をさせた。彼女が船から下りたあと、フィリップに向い、刺し殺した。死体はロープで縛り、海へ捨てた。陸へ上ると、彼はフィリップになりすました。ホテルに泊り、身分証明書を偽造し、サインを真似、声まで真似た。金も衣類も使った。ヨットを売り払う交渉も、親元からの送金を引き出す仕事もうまくいった。マルジュあてのフィリップの手紙をタイプし、送った。彼女は彼を忘れられずにいた。ホテルにフィリップの叔母が現れたが、姿をくらますことができ、別の下宿に移った。
そこに、フィリップの友人が訪ねてきて、何かを察したようだった。トムは平生から憎んでいたその男を殺し、死体を捨てた。それは発見され、刑事が調べにきた。死体確認に集った時、トムはマルジェにフィリップはモンシベロに戻ったと告げた。女刑事が盗み聞いていた。トムはモンジベロの家にその夜いくと、遺書を書き、送金を全部ひき出したのをマルジェに残し、自殺したことにした。警官もマルジュも駈けつけたが、彼は逃げおおせた。
彼は元のトムに戻り、傷心のマルジェをいたわり、愛を告げた。彼女もついに彼を受け入れ、結婚することになった。遺産も手に入るだろう。彼が海水浴のあと、極上の酒に酔っていた時、フィリップのヨットが売られるために陸に引きあげられていた。スクリューにからまったロープの先からフィリップの死体が現われた。・・・・・・参考 goo 映画より
今年の夏も湘南の海岸では、若者が平気で互いに傷付け傷付き、昔も今も変わらない、残酷な「青春」を満喫することでしょう。

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岡本 浩和

>雅之様
こんにちは。
「僕って何」、「エーゲ海に捧ぐ」は懐かしいですね。
中学1年頃ですからオンタイムでは読んでおりませんが、大学に入ってから読んだと記憶しています。
それと、時代を少し遡っての「太陽の季節」。雅之さんと同じく僕もあまりピンとこなかったですね、これは。
今の年齢になっていま一度読み返してみると違うかもしれません。思い出させていただいてありがとうございます。
ところで、アラン・ドロン主演の「太陽がいっぱい」は実は観ておりません。淀川さん自身がホモセクシャルだったからなのでしょうか、そういう視点での解釈も含めてじっくり観てみたいと思いました。
夏と海・・・、どうも僕の人生とはあまり縁のない言葉でして・・・。どちらかというと僕は秋と山って感じです(笑)。

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アレグロ・コン・ブリオ~第5章 » Blog Archive » ワーグナーの音楽は理性を失わせる

[…] 1950年代の世界の音楽地図を俯瞰してみる。 北米大陸ではマイルス・デイヴィスを中心にモダン・ジャズが新たな局面を迎える。ロックン・ロールの世界ではエルヴィス・プレスリーのデビュー。 南米ではアントニオ・カルロス・ジョビンによるボサノヴァの誕生、あるいはピアソラによる新しいタンゴの発表も。 一方、ヨーロッパでは終戦から10年を経、バイロイト音楽祭やザルツブルク音楽祭が活況を呈し、かつての大巨匠たちの有終の美が飾られる。 すべて旧い録音から目一杯のイマジネーションを働かせるしかないが、それでも音楽の天才たちの創造がたった今生れたものであるかのように共有できることが嬉しい。 […]

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