Big Wave

tats_yamashita_big_wave.jpg湘南台という場所は初めて訪れたが、「湘南」という名ながら海でもなくどちらかというと山に近い地形で、今日などジリジリと日差しも強く、木陰で涼みながら蝉の音でも聴いてゆっくりするとさぞかし気持ち良いことだろうとふと思った。とはいえ、こちらは教室で夏期講習最後の日。当然学生も同じような気分なのだろう、単位に響くわけでもない授業ゆえ、参加者が昨日に比べがぐっと減った。僕の担当する「文章力講座」などは参加者わずか3人(涙)。その代わり非常に内容の濃い講義だったろうと思うので、彼らにとっては素晴らしい3時間だったはずだ。

同じ大学でも成績の格差は随分あるようで、ある学生は読解力に劣り、ある学生はそもそもの漢字力に難がある。と思えば、補講に来ているのが不思議なくらいそこそこに「できる」学生もいる。まだ1年生だから就職活動などは先の話になるのだが、内定をとるためにはいずれにせよ基礎学力を最低限身につけておかなくてはならない。大学側の手厚いサポートにもかかわらず、まったく意識を持たない学生も多々いるというのだから、困ったものである。

ところで、大学入学の頃、夏は友人とドライブがてら何度か湘南の海を訪れた。当時は湘南といえばサザンが定番だったが、僕は山下達郎の”Big Wave”にぞっこんだった。全編英語の歌詞を持つこのアルバムは、いつもの達郎サウンド全開で、今頃になるとどうしても聴きたくなる音楽たちが詰まっている。

山下達郎:ビッグウェイブ

LPでいうB面のThe Beach Boysのカヴァーがどれも最高(選曲がいかにも渋い)!達郎自身が楽器と声の全てを担当した一人多重録音!!ことによるとビーチ・ボーイズのオリジナルよりイカしてるかも、などと思ってしまう(まぁそれは嘘だけど・・・笑)。

浜辺の乙女が
僕を不思議な気持ちにさせてくれる

ダーリン、
愛する恋人よ・・・
言葉に表すことのできない
想いが溢れている

暑い日が続く・・・。
さて、明日からまたがんばろう。


3 COMMENTS

雅之

おはようございます。
山下達郎にしろ桑田佳祐にしろ、20年、30年以上後までも人々の心に「残る歌」を数多く作ったという事実は恐るべき偉業だと言わざるを得ません。昔リアルタイムで聴いていた時は、そんなこと微塵も意識していませんでしたが・・・。
「残った歌」と、当時大ヒットしていたにも拘わらず今やすっかり「忘れ去られた歌」とは、何が違っているのでしょうね。そういうことを考えるのは、とても興味深いです。
これは、ベートーヴェンの時代も同様ですね。「ウェリントンの勝利」は当時他の交響曲を凌ぐ大人気の曲だったのに、今では好んで聴く人も演奏したい指揮者・オケも、ほとんどいないです。時代の空気を超え、世代を超え、人々を共感させるということは並大抵ではありません。
先程、NHK-FMを聴いていたら、「トイレの神様」(植村花菜)がかかっていました。今年、関西から「泣ける」 ということで評判になり、今や日本全国で大ブレークしている曲とのことです。「紅白」も狙える位置にいるとかと、もっぱらの評判です。
http://www.youtube.com/watch?v=Z2VoEN1iooE
http://www.hmv.co.jp/product/detail/3716383
確かにこの長い曲、何度も耳にしたことがあり感動的な歌だと思いますが、私には、「泣ける」と言われると一抹の違和感もあります。この微妙な感覚のずれは私だけのものなのか、我々の世代に共通するものなのか・・・、
30年後、この曲はどんな聴かれ方をするのでしょう? 人の心も、世相も、それに国語自体も絶えず変化していますし・・・。
未来を予測することは難しいです。明日の予測さえ困難なのに、ましてや30年後の予測など、「(トイレの)神のみぞ知る」です(笑)。

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岡本 浩和

>雅之様
おはようございます。
>人々の心に「残る歌」を数多く作ったという事実は恐るべき偉業だと言わざるを得ません。
>当時大ヒットしていたにも拘わらず今やすっかり「忘れ去られた歌」とは、何が違っているのでしょうね。
興味深い話題ですよね、これは。
トレンドの移り変わりは激しいですから、普遍的なものを創造するのは大変な能力だと思います。それこそ彼らには「神様」がついてるんでしょうね。この件についてはいろいろと考察してみたいと思います。
「トイレの神様」っていう曲は初めて聴きましたが、いい曲ですね。ただし、雅之さんと同じような感覚を僕も持ちますね。多分「私的な感情が入りすぎた」音楽は廃れるのが早いんじゃないかと思います。もちろん同じような経験をしている人がいるでしょうから、その瞬間は感動するのですが・・・。
30年後のことは・・・、まったくわからないですね。

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