大瀧詠一:ナイアガラ・ムーン(30周年記念盤)

この季節、どうしても30年前のあのシーンを思い出す。
そして、そこに流れるのが大瀧詠一の「ペパーミント・ブルー」。僕の中でおそらく随一の名曲。次のフレーズがすべての人々の心境を表すよう、恋愛ということに限らず。

波は時を〇〇〇〇
寄せる・・・〇〇〇〇・・・
そんな〇〇ぼくたちも
愛せたらいいのに
〇〇〇〇〇透明な
心ならい〇〇に

“EACH TIME” 20th Anniversary Editionを聴いた。ついでに”NIAGARA MOON” 30th Anniversary Editionも。前者の極めて透明感のある「調和力」と後者のごったまぜの混沌とした音楽性がいずれも大瀧師匠の魅力であり、しかも彼が「音頭」という日本古来の方法を吸収昇華し、独自の手法で「ナイアガラ」という世界観を創出したことが絶対的革新であり、奇跡であると僕は思う。もはやその時点でポップ・アーティストとしての彼の役割は完了したのか・・・。

まるで20世紀初頭の、(もちろん経験したことはないが)パリの場末の喧騒の、あるいはカルチェラタンの活気の、あらゆる感情の高揚と開放・・・。
大袈裟にいうと、人間存在の根本にまで影響を与える大瀧詠一ワールドの原点。

EIICHI OHTAKI:Niagara Moon 30th Anniversary Edition

楽曲の傾向が種々様々に富んでおり、この人はやっぱり天才。
30周年記念盤に寄せてという大瀧さん自身のライナーには・・・、

30年かかって戻って来た、というような、非常に嬉しく懐かしく、マスタリングをしながら、「あぁ、30年前“ここで”みんなとレコーディングしていたんだとなぁ・・・」という感慨に浸っておりました。・・・(中略)・・・
《場所》、は大事ですね。

お見事!
例えば、音楽の記憶は「場所」の記憶と結びつく。そして、その場所を共にした仲間と集うと「時間」を超え、すべての「光景」が蘇る。つまり、「音楽」とは「光」だということだ。
いずれも目に見えないもの。
「目に見えないもの」を信じないという人は「音楽」すら信じないのか?
たぶん・・・、音楽に感動したことがないのだろう・・・。

霧に覆われた〇〇〇〇〇の月
〇〇〇〇 漂うシルエット

聞こえてくるよ 〇〇奏でる
〇〇〇〇〇〇〇調べ 子守唄

ゆらりゆらゆら月影揺れて
〇〇〇〇〇〇 ここで ここで過そう

星が瞬く〇〇〇〇〇
寄り添う二人 浮かぶシルエット
「ナイアガラ・ムーンがまた輝けば」(作詞・作曲=大瀧詠一)


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