コルトー、これ以上のショパンは・・・、ない。

2012年5月24日2012年5月26日

いやはや、早朝から深夜まで出ずっぱりだとやっぱり相当に疲弊する。
歳か・・・（苦笑）。
酔いが回って帰宅は午前様。とても音楽などという状況でなく、どちらかというとすぐにでも布団にもぐりこみたいという思いなのだが、日頃の癖で何か耳にしないと眠れない。
朦朧とした脳みそに手っ取り早いところで、考えなくて心に沁み込むものと言えば、僕の場合はショパン（まぁ、賛否両論だろうが、あくまで僕の場合）。
先日も、ポゴレリッチの「葬送」ソナタを聴いてぶっ飛んだ。過去に前例がなく、亜流も作らない天才こそがショパンその人だと相変わらず僕は信ずる。
深夜に、アルフレッド・コルトーの弾く前奏曲集を聴きながら、そう、たった今響いているのは第7番のそれ。あまりに切ない・・・。

ショパン：
・24の前奏曲作品28（1926.3.22,23録音）
・前奏曲嬰ハ短調作品45（1949.11.4録音）
・24の前奏曲作品28～第15番変ニ長調「雨だれ」（1950.10.30録音）
・子守歌変ニ長調作品57（1949.11.4録音）
・即興曲全集（1933.7.5録音）
・タランテラ変イ長調作品43（1931.5.13録音）
アルフレッド・コルトー（ピアノ）

古くは85年前のもの。新しくても62年前。僕など微塵も存在のなかった時代に吹き込まれた音楽の、あまりに生命感に溢れる音楽よ。コルトーのショパンは昔から不思議に好きだった。これほどまでに崩す必要があるのかと当初は思ったくらいだが、要は「ジャズ」なのである。作曲者の譜面を前に、ピアニストがいかにインプロヴィゼーションを繰り広げるか・・・。
文明に支配されながら、国々が争い、戦い・・・、そんな時代の標語こそは「自由」であるが如く、生み出される音楽もやっぱり自由。
嗚呼、酔っ払って聴くコルトーの（あえてコルトーのと注釈を加える）ショパンは絶品なり。聴き慣れた音楽が新たな再生を得て、まるで違った音楽に聴こえる。ある意味、これ以上のショパンは・・・、ない。

あまりに意識が正常に働かないので、支離滅裂だろうが今夜のところはここで止めにしておこう。眠い・・・。