社員の意識変革、組織活性化の「鍵」は社長の「人間力」にあり!

wilms_symphonies_koln.jpg人間は結局は変らない。長い間、セミナーを通して人に接していく中で、僕の中で自ずと生まれ出た解答である。それは決してネガティブな意味ではない。むしろポジティブで前向きな意味において「変化しない」といえるのである。
そもそも人は変わらずとも潜在的に各々が「脳力」を秘めている。誰一人として無駄な存在はなく、ひとりひとりがやらねばならない使命を持っている。それが例えば教育の中で「ひとつのものさし」で計られることにより優劣を決められ、結果的に自信を喪失することで本来の力を十分に発揮できなくなるのである。
ちなみに「ひとつのものさしで計られる」という事実が「関係性」を軸にしていることがわかっていただけるだろうか?他者との相対評価、それも「勉強」や「スポーツ」という一定のルールの中で評価の優劣が決まってしまうこと自体、個々の絶対性を大事にしていないということにつながるのではないのか。

最近僕は思う。「人間力」とは「人間関係構築力」であり、人と人との「関係性」で物事を考え、判断できる能力なのではないかと。ほんの数時間でいい。その場にいる皆で物事を共有しながらコミュニケーションの深度を高めることで「空気」が一変し、ひとりひとりが「変わったよう」に思えるのである。それは長い目で見るとひょっとすると錯覚かもしれない。単なる「状態」の変化なのかもしれない。しかしながら、「変化を感じることができる」という現実そのものは確かな事実なのだ。

経営者は個々の社員のスキルアップを考えるのでなく、「脳力」を引き出すための「関係構築力」アップを考えるべきである。そういう視点でモノを捉えられること自体が社長の「人間力」なのである。それがここ数日の思考の結論。

ヨハン・ヴィルヘルム・ヴィルムス:交響曲第6番ニ短調作品58&第7番ハ短調
ヴェルナー・エールハルト指揮コンチェルト・ケルン

ご存じBrilliantレーベルの超廉価盤より。今ならタワーレコードの店頭で何と¥690なり。
聞いたこともない名前の作曲家ではあったが、ベートーヴェンとほぼ同時期にドイツに生まれ(オランダで活躍)、メンデルスゾーンと同年に亡くなっているという人生に興味を持ち、ついつい手を出したが、これはなかなか面白い。
ハイドンのような古典的な形式を踏襲しながら、シューベルトのような、あるいはメンデルスゾーンのような「古典派とロマン派の中間」をいくような筆致。英文解説書によると第6番が1820年ごろ、そして第7番が1836年に作曲されているらしいので、まさにベートーヴェンの深遠な後期の作品が生み出された時期と、ロマン派の扉を叩いたベルリオーズが「幻想交響曲」を作曲した時期を経て、シューマンがクララとの結婚を決意した時期、あるいはショパンがサンドと初めて出会った頃に生み出された音楽たちである。間違いなく忘れられた音楽家のひとりではあるが、後世に残しても十分に価値のある作曲家であり、交響曲集であると僕は思う。

知らないこと、知らない知識を吸収することは滅法面白い。自己管理やスキルアップのヒントが「関係性」にあることって意外に知られていないかも・・・。


2 COMMENTS

雅之

おはようございます。
今日の岡本さんの本文について、社長→指揮者(音楽監督、常任指揮者等)、社員→(オーケストラの楽員)で考えてみました。
例えばアバドのように、楽員の要求に対し物分りの良すぎる指揮者が理想のトップとは言えませんね。また、ユニオン(組合)でガチガチに立場が守られ、職場の雰囲気は自由闊達で、楽員の「幸福度」と「定着率」が高いオーケストラが真に魅力的かと問われれば、「否」ですよね。そこにプロとしての厳しさ、競争から生まれるライバル意識等、ある種の緊張感が不可欠なのは、言うまでもありません。ついでにいえば、「楽譜」というルールに縛られ過ぎるのも良くない例です。
>「脳力」を引き出すための「関係構築力」
勝つための組織はどうあるべきか?会社でも、オーケストラでも、スポーツのチームでも、古くて新しい、奥の深い問題ですよね。昨日のコメントとも関連しますが、私も、「人間関係構築力」の基本は、各自の「家族の在り方」からまず養われるものだと考えています。
ご紹介の盤についての知識はゼロでしたが、面白そうですね。こういう大作曲家の陰に埋もれた作曲家の作品には、良いものが無数にありそうですね。

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岡本 浩和

>雅之様
おはようございます。
とてもわかりやすい比喩ですね。ありがとうございます。
>そこにプロとしての厳しさ、競争から生まれるライバル意識等、ある種の緊張感が不可欠なのは、言うまでもありません。
同感です。付け加えるなら、良い意味での「緊張感」の根底には各人の責任感と関係性によって育まれた「愛」が流れていると思うんですね。「情」ではない「愛」がです。部下を厳しく叱れるのも「愛」ですし、上司に率直にモノが言えるというのも「愛」あってゆえのものだと思うんです。
>「人間関係構築力」の基本は、各自の「家族の在り方」からまず養われるものだと考えています。
同感です。プライベートの生き方というのは極めて重要です。
>こういう大作曲家の陰に埋もれた作曲家の作品には、良いものが無数にありそうですね。
ツボにはまる未知の作曲家は多いでしょうね。

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