素顔のままで

僕がロック・ミュージックに目覚めたのは19歳の時だった。ビートルズが最初。当然周囲の若者たちとの差を埋めるべく、怒涛のように聴き込んだが、どんなアーティストのどんなアルバムを聴いても都度衝撃的で、こんな素晴らしいものをどうして今まで知らなかったのかと大いに後悔したものだった。その頃、友人でBilly Joel命という輩がいた。デビュー当時から追いかけていたらしく、当時は”Innocent Man”がリリースされた時で、巷はBilly Joel一色だったので、自然この「ピアノ・マン」の話で大いに盛り上がった。

そういえば、1987年だったか88年だったか、東京ドームでBilly Joel、Boz Scaggs、Art Garfunkelらのコラボ・コンサートがあったっけ。初めて観た生のBillyはかっこ良かった。もちろん、BozもArtも最高だったけど・・・。

Billy Joelのすべての作品を聴いたわけではないが、“Just the Way You Are”や“Piano Man”が好きだ。こんなにも直接心に響き、しかもメロディアスな音楽は珍しい。

Billy Joel：Greatest Hits Volume 1 & Volume 2

Don’t go changing, to try and please me
You never let me down before
Don’t imagine you’re too familiar
And I don’t see you anymore

僕を喜ばせようと化粧なんてしなくていいんだよ
今までの君のままで僕は落ち込んだりしないよ
ありふれてるからって思わないでおくれ
どんな時も君を離さないよ
～“Just the Way You Are”（素顔のままで）

ありのまま・・・、自然体。わかっちゃいるが、素の自分を出すことは勇気がいる。嘘をついても結局ばれることがわかっていても人は人前でついつい取繕う。

Billy Joelの歌は素朴だ。彼自身のプライベートはいろいろあるにせよ、その歌だけは不滅なり。ここのところあまりニュースは聞かないように思うが、そういえばビリー・ジョエルってどうしているんだろう・・・。

とある友人と4年ぶりに食事を共にした。ありのまま、自然体にいこうと誓った。楽しかった。