自衛隊音楽まつり「和、奏でる夢」

急遽お誘いいただいて、午前、日本武道館で開催された「自衛隊音楽まつり」に行った。簡単な感想は別のブログ記事にしたのであえてここに書くつもりはなかったのだけれど、いろいろと考えさせられたので、やっぱり書いておくことにした。
ひとつはチーム、あるいは呼吸を合わせるということについて。
もともとチームワークというものが苦手な僕が、そもそもそういうことの重要性を「生業」として若者に教えていること自体がおかしな話なのだが、若い頃に集団生活を送り、人間関係や生活面や、厳格なルールの下過ごすことがいかに重要かをあらためて思い知らされた。たまたま昨日の夜ふとつけたテレビのニュースで偶然防衛大学校のことが採り上げられていたのでより一層そのことが身に染みたんだと思う。自戒の意味も込めて。

ドリル演奏のフォーメーションがいずれも素晴らしかった。細かいところまでチェックすると、それは人間がやっていることだから多少の失敗をしている人もいたにはいたが、それでもほぼ完璧に演じられる動きと、それにあわせて楽器を奏でるという技にとても感心させられた。それはおそらく団体生活を通して培われたものなんだろうと想像する。やっぱり人は「人とのつながり」の中で生きていて、そのことを無視せず、むしろそこに問題を抱えながら時に苦しみ時に喜び、人としての生き方を学んでいくものなんだろう。学校でも、特に一般の義務教育の中では酸いも甘いも経験しながら人と人とのコミュニケーションのあり方を教えることが「教える立場にある者」の責務の第一なんだ。

それともうひとつは、久しぶりに「君が代」を斉唱して、日本人が公の場で、もっというなら教育の場でも国歌というものをきちんと歌う習慣は絶やしちゃいけないかなと感じたこと。僕は右翼思想家でも何でもないけれど、それでも「君が代」という音楽のもつ言霊、音霊というものを今回のほんのわずかな瞬間にも感じることができたから余計にそう思った。民族としての意識は「良い意味で」やっぱり大切かなと(それにしても何十年も歌っていなくても歌詞も音楽も明確に身体に刷り込まれていて歌えるのだから記憶というのはすごい)。

平成24年度自衛隊音楽まつり
「和、奏でる夢」
2012年11月16日(金)10:00開演
於:日本武道館
プロローグ:「七彩の奥羽国」
オープニング
第一章:始点
第二章:前進
第三章:軌跡
第四章:夢
出演部隊・出演者
陸上自衛隊中央音楽隊、陸上自衛隊東京音楽隊、航空自衛隊航空中央音楽隊、米太平洋陸軍軍楽隊、米海兵隊第3海兵機動展開部隊音楽隊、陸上自衛隊東部方面音楽隊、陸上自衛隊中部方面音楽隊、陸上自衛隊第15音楽隊、陸上自衛隊第302保安警務中隊、第15旅団エイサー隊、自衛太鼓、海上自衛隊演技隊、航空自衛隊演技隊、東北方面フラッグ隊、防衛大学校儀じよう隊、演技支援部隊

日本の誇る和太鼓を披露した自衛太鼓の地鳴りのような響きは格別だった。
それと、個人的には米海兵隊第3海兵機動展開部隊音楽隊によるストラヴィンスキーの「火の鳥」組曲にもしびれた。これは終曲の、例の有名な部分をブラスにアレンジしてやったものだけれど、音楽の威力ここにありという感じ。で、極めつけは海上自衛隊東京音楽隊によるいわゆる「軍艦マーチ」!!パチンコ屋以外で初めて聴いたかも(笑)。実に名曲だと僕は思う。純粋に。何せこのいかにもアイロニカルな「明るさ」が良い。武道館で、自衛隊で・・・。何だか最高のひとときだった・・・(笑)。

本当はベートーヴェンか、それともフルトヴェングラーあたりについて書こうと思っていたのだけれど、それは明日以降に・・・。


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