舞台ではなかなか触れることのできないマスターピースたちに出逢った。
まさにタイトル通りの、3時間の「ショータイム」。
マイクを通されたオーケストラの音が縦横に駆け、独奏ヴァイオリンやピアノはとても色艶やかな音を出していた。
熊川哲也が振付けた、パッヘルベルのカノンによる「パッシング・ヴォイス」に、往年のジョルジュ・ドンと森下洋子による「ライト」のパ・ド・ドゥを想像した。また、中村祥子と宮尾俊太郎による「白鳥の湖」からの「オデットと王子のパ・ド・ドゥ」(マリウス・プティパ振付)に清楚な踊りの内なるエネルギーに感動した。
僕は眼前に繰り広げられるバレエに思わず心が動いたのである。ここにあるのは静的な安寧。久しぶりに観たバレエは、モダンとクラシックの各々良いところ取り。素晴らしかった。
オーケストラ・ショータイム
2017年8月13日(日)16:00開演
文京シビック・大ホール
中村祥子(Kバレエ・カンパニー)
荒井祐子(Kバレエ・カンパニー)
宮尾俊太郎(Kバレエ・カンパニー)
伊坂文月(Kバレエ・カンパニー)
リカルド・セルケイロ&アリサ(タンゴ)
山口ちなみ(ピアノ)
松本裕香(ヴァイオリン)
小林修子(ヴァイオリン)
平田耕治(バンドネオン)
太田雅音(指揮)
水野蒼生(指揮)
枝並千花(コンサート・ミストレス)
ショータイム・オーケストラ
司会:のだこころ
第1部
・スヴィリードフ:時よ、前進!
・アダン:バレエ「海賊」~アリのヴァリエーション(原振付:マリウス・プティパ)
・ウェバー:ミュージカル「オペラ座の怪人」
・サン=サーンス:交響詩「死の舞踏」作品40
・ハチャトゥリアン:組曲「仮面舞踏会」~第1曲ワルツ
・ショスタコーヴィチ:映画音楽「第一軍用列車」~セカンドワルツ
・ショスタコーヴィチ:映画音楽「タヒチ・トロット」
・ディズニー・メドレー
・ファリャ:歌劇「はかなき人生」~スペイン舞曲第1番
・アンソニー・ホプキンス:そして、ワルツは続く
・パッヘルベル:カノンニ長調~バレエ「パッシング・ヴォイス」(振付:熊川哲也)
・チャイコフスキー:バレエ「白鳥の湖」情景~第2幕「オデットと王子のパ・ド・ドゥ」(原振付:マリウス・プティパ)
ショスタコーヴィチの映画音楽が聴けただけで大満足。
松本裕香独奏によるサン=サーンスの「死の舞踏」は、妖艶な響きながら不気味さも備え、絶品。
休憩後、第2部は、山口ちなみ独奏の「ワルソー・コンチェルト」からスタート(作曲者のアディンセルは今年没後40年)。このホールの音響特性からか、第1部のヴァイオリン独奏と同様、管弦楽のフォルテの箇所で独奏楽器が埋もれて聴こえなくなるのが残念だったが(座席の位置によっては聴こえるのかも?)、技巧も万全、とても美しくロマンティックな音楽が奏でられた。アンコールはルロイ・アンダーソンの「忘れられし夢」。何とも優しく懐かしい作品。
第2部
・アディンセル:映画「危険な月光」~ワルソー・コンチェルト
アンコール~アンダーソン:忘れられし夢
・ガルデル:ポル・ウナ・カペサ(映画「タンゴ・バー」挿入歌)
・ジマー:映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」
・メンケル:ミュージカル「美女と野獣」メドレー
・ピアソラ:リベルタンゴ
アンコール~ショスタコーヴィチ:喜歌劇「モスクワのチェリョムーシカ」~ギャロップ
おそらく時間の都合で予定されていた幾つかの作品は演奏されなかったが、タンゴ「ポル・ウナ・カペサ」の、難しいリズムを伴う動的な踊りと音楽に酔った。ここにあるのは熱狂。同じ踊りでもバレエの発露とのあまりの違いに僕は感心した。
アンコールはショスタコーヴィチのギャロップ。良かった。そもそも実演で聴けたことが収穫。
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岡本様
ヴァイオリンの松本です。随分と時間が経ってしまいましたが、とても嬉しいコメントを頂きどうもありがとうございます!地道に頑張ろうと思います。
>松本裕香様
コメントをありがとうございます!素晴らしい演奏でした。時間が経過してもきちんと覚えております。
またぜひ素晴らしい演奏を聴かせてください。
引き続きよろしくお願いします!
嬉しいお言葉、光栄です。ありがとうございます。また何かの機会に是非コンサートにお誘いさせてくださいませ!
本当にありがとうございます!!