共生

eiichi_ohtaki_songbook_2.jpg「競争」ではなく「共生」がこれからの時代は大切なんだという人がいた。先日から同じようなことを考えていたものだから少々吃驚した。

一生のうちに男性は2兆の精子を生産し、女性は500万の卵子を生み出すらしい。そのうちのひとつの精子と一つの卵子が出会う確率は?と考えると途轍もない確率で自分が生まれ出てきていることがわかる。もちろん父と母が出会う確率、あるいは祖父母が出会う確率まで考慮するともう天文学的な数字になる。

生命の神秘。一つの精子が卵子と結合するために、何と他の13匹の精子の助けが必要なのだということを以前何かの本で読んだ。てっきりそれぞれが「競争」し、1番になった精子が卵子とひとつになり、生命が生まれるのだと思っていた。結局、「最初」から誰かの力を借りて生きているのである。

要は発想の転換か。一見「競争」にみえるだろう。でも、1回の射精での精子の数は約3億というから、例えばそのうちの1匹が目出度く卵子と出会うためにほかの2億9,999万9,999匹が助けてくれた、あるいはその1匹を選んでくれたと考えるならどうだろう?

そう、ひとりひとりは生まれながらに「勝者」なのではなく、「選ばれし者」なのである。選ばれて生まれ出てきている以上、貴賤を問わずやらなければならない仕事がある。今置かれた状況を存分に楽しむことかな。昨日聴いた晴香さんの講演会でも「勝手に自分を素敵にする」ことや「当たり前の幸せを知る」ことがテーマだったから、そのことがより身に染みる。愚痴らず感謝の気持ちを忘れずに。

直感で感じたままに動くと「正しい」方向に行けるように思う。考えすぎると失敗する。人間の機能ってすばらしい。

EIICHI OHTAKI  SONG BOOKⅡ
大瀧詠一作品集VOL.2(1971-1988)

大瀧詠一渾身の傑作集。吉田美奈子の歌う「夢で逢えたら」にはじまり、薬師丸ひろ子(いやぁ、かわいいなぁ)の「すこしだけやさしく」と続く流れはもう懐かしさの限り。子どもの頃作者など意識していなかったが、クレイジー・キャッツの「実年行進曲」、それに森進一の「冬のリヴィエラ」、小林旭の「熱き心に」など、すべて大瀧さんが作曲していたことを知った時はその才能の幅広さに驚嘆した。
ああ、元気が出る。


5 COMMENTS

雅之

おはようございます。
大瀧詠一の作品は、ご紹介の曲など、粒ぞろいですね!、懐かしくて堪りません。
最近、例えばピアニストの小原孝のように、クラシックとポップスなど、いろいろなジャンルを自由に行き来できるって、素晴らしいことだなあと思えるようになりました。モーツァルトの作品であろうと大瀧詠一の作品であろうと、傑作は傑作ですよね。
クラシックも宇野さんみたいにマニアックになりすぎると、自分で自分の視野を狭めて他人の価値観を聞く耳を持たなくなる傾向が顕著になりますよね。それは大きな陥穽なのではないかと近頃頓に思うのです。音楽を聴くことにより人間性が悪くなってしまっては本末転倒だと、自省もしております。
>「競争」ではなく「共生」
そこで、今朝の私のおススメは、ポール・マッカートニーと大瀧詠一(プロデュース)の「共生」、「イエロー・サブマリン音頭」(唄 金沢明子)。
http://www.youtube.com/watch#v=0ZncEyn1GCE&feature=related
大瀧さんは「ナイアガラ音頭 」「禁煙音頭」「クリスマス音頭」など、
http://d.hatena.ne.jp/video/niconico/sm1860172
一方で「音頭」や「お笑い」好きでもありますね。懐が広いです。
この「音頭」の脱力感こそ、〈「競争」ではなく「共生」〉、人類の平和のヒントかもしれないと思いました。肩の力を抜かなくちゃ、ですね(笑)。

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雅之

追伸
大瀧さんに関係ないですけど
「ゆるキャラ音頭」(詞・みうらじゅん、曲・サワサキヨシヒロ、唄・ 橋 幸夫 )もイベント等でオススメの音頭です!
http://www.youtube.com/watch#playnext=1&playnext_from=TL&videos=OIqJh_A7UxM&v=tAQXcnLHmEY
>選ばれて生まれ出てきている以上、貴賤を問わずやらなければならない仕事がある。今置かれた状況を存分に楽しむことかな。
そう、「ゆるキャラ」みたいにですね???(笑)。

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岡本 浩和

>雅之様
おはようございます。
>いろいろなジャンルを自由に行き来できるって、素晴らしいことだなあと思えるようになりました。モーツァルトの作品であろうと大瀧詠一の作品であろうと、傑作は傑作ですよね。
同感です。
「イエローサブマリン音頭」いいですね!まさに「共生」です。
>この「音頭」の脱力感こそ、〈「競争」ではなく「共生」〉、人類の平和のヒントかもしれないと思いました。
まさに!!
「ゆるキャラ音頭」とは初めて聴きました。いいものですね(笑)。

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ザンパ

こんにちは。ご無沙汰してます。
大滝さんには、片岡鶴太郎に歌わせた「スリラー音頭」、「ビート・イット音頭」というのもあります(笑)。今こそ!とは思うのですが、作品の出来に不満なのか、最近はてんで再発されてません。僕も聴いたことが無いのでぜひ聴きいてみたいのですが…。

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岡本 浩和

>ザンパ様
こんにちは、ご無沙汰しております。
あぁ、ありましたね!「スリラー音頭」!!
とはいえ僕も聴いたことがあったにしてもどんな曲だったか全く憶えておりません・・・(涙)。
確かに今こそ再発すべきですね。

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