今年もありがとうございました

bruckner_9_wand_bpo.jpg朝起きると雪。実家周辺でも年末年始の雪はもう何年も記憶がないらしい。
せっかくなので雪の中、いつもの飯道神社にお参り。頂上に近づくにつれ雪も激しくなる。ゆっくりと歩を進め、1時間ほどかけてようやく本殿に到着。来年に向けての願い事をし、チベット体操第一体操を(笑)。真っ白な銀世界の中、人気のない山中、頭の中ではブルックナーの第9交響曲が突如鳴り響く。
白鳥の歌。第1楽章のコーダから第2楽章にかけての透明な音世界が静寂を突き破る。

10年前に、オペラシティ・コンサートホールで聴いたギュンター・ヴァントの最後の来日公演の「無の境地」に行き着いた稀代の表現。懐かしい気持ちと同時に、あの壮絶な(と表現してよい)体験は絶対に忘れられない。先日の忘年会にいらしていただいた弁護士のW氏は2日目の公演を聴かれており、何とリリースされたDVDに友人と映っているとのこと。それは羨ましい・・・(笑)。僕が行った初日はテレビや映像の収録はなかったから。

公演日は違うものの、あの興奮を共有していたことにW氏には一層親近感を覚えた。ともかく詳しい。まったくマニア(笑)。これまでの音楽体験、好きな指揮者や作曲家の話。本当にキリがないほど尽きない(Wさん、ありがとうございます。そして今後ともよろしくお願いします)。音楽というものはコミュニケーションの架け橋になる。

ブルックナー:交響曲第9番ニ短調(原典版)
ギュンター・ヴァント指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

30年前、FM放送でホルスト・シュタイン&N響の演奏により初めてこの曲を聴いた時、第7番や第8番とはまた違った「峻厳」で「凝縮された」その音世界に一気に引き込まれた。第8番や第5番をものにするのにはある程度の時間がかかったが、第7番と第9番については聴くやその音楽の虜になった(懐かしい思い出だ)。
その後、音楽雑誌などで推薦される音盤をいろいろと聴き漁り、朝比奈先生の実演には何度も触れ、すっかりこの作品が自分のものになったと思っていたその頂点で、僕は先のヴァントの実演を体験できた。ありがたかった・・・。その直前にリリースされていたベルリン・フィルとの演奏を何度も耳にし、ギュンター・ヴァントのブルックナーに惚れ直し、絶対に生を体験したいと思っていたから、本当に響いた・・・。

ところで、久しぶりに紅白歌合戦を観ている。今は、植村花菜の「トイレの神様」。良い歌だ。皆様、2010年もお世話になりました。来年もよろしくお願いいたします。


2 COMMENTS

雅之

おはようございます。
>10年前に、オペラシティ・コンサートホールで聴いたギュンター・ヴァントの最後の来日公演の「無の境地」に行き着いた稀代の表現。
Wさん共々、つくづく羨ましいご体験です。同日のシューベルト「未完成」もまた、絶品なんでしょ?(笑)
>2日目の公演
>リリースされたDVD
これ、ぜひブルーレイで出し直して欲しいです。地デジ対応の最新のテレビには、もはやDVDの寝ぼけた画像ではもの足りません。
私は、ブルックナーの9番は、今や絶対に補筆完成版で聴きます。
第4楽章の大部分を彼は書き上げていたわけで、「無の境地」などではなく、ブルックナーの、曲の完成と生への執念を聴きたい。岡本さんと違い、「トイレの神様」などという〈死んだおばあちゃん〉を勝手な孫娘が美化して懐かしがる歌は嫌いなので(笑)、それよりは執念で出場した桑田佳祐です!(笑)
ブルックナー 交響曲第9番(第4楽章補筆完成版) ヴィルトナー指揮ノイエ・フィルハーモニー・ヴェストファーレン
http://www.hmv.co.jp/product/detail/1944543

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岡本 浩和

>雅之様
こんばんは。
ブルックナーの9番の補筆完成版、まだまだ聴き込みが足りません。
昔出たインバルのものを所有しているくらいなので勉強します。
桑田佳祐も良かったですよね!!

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