散策気分で・・・キョンファのバルトーク

bartok_2_kyung_wha_london_p.jpg新宿山の手七福神めぐり(+穴八幡宮)をした。ご朱印をいただきつつ8ヶ所を4時間ほどかけて回った。昨日のタグラグビーの影響もあってか、多少身体が重かったが、散策気分でおしゃべりをしながら途中昼食も摂り、ゆっくり歩いた。旧暦でいう新年が間もなくだが、気分が一新されたようで心地良い。

20数年前に購入したCDを何年振りかに久しぶりに取り出してみて驚いた。
新宿区内をぶらぶらしながら神社仏閣を廻っていて、何だかチョン・キョンファの演奏を聴きたくなったものだから、バルトークの第2協奏曲の旧録音(1989年リリースのCD)を引っ張り出してきて、ケースを開けるやCDの表面が黴のような青白いもので覆われているのを見て、焦った。「参った。これはお釈迦か!」と思ったが、クリーナーで念入りに掃除をしたら何とか無事のよう。どんなものでもそうだが、やっぱり使わず放りっぱなしというのは良くないということ。CDにだって命が宿っているようだから(早く見つけてくれと呼ばれたような気がするのは気のせいか・・・(笑)。

よくよく棚をみると、その隣に同じキョンファのバルトーク新盤が鎮座していた。なるほど、こちらも随分長い間放っておいた代物だ(ちなみに1994年にリリースされている)。ひょっとするともう10年以上は耳にしていなかったかも・・・(汗)。物を持つのは勝手でいいのだが、面倒をみないというのは罪なり。大昔に買ったままで聴いてもいない音盤たちよ、たまには取り出して聴いてあげるよ。(それが無理ならむしろ処分した方がいい)

ということで、せっかくだから聴き比べを。

バルトーク:ヴァイオリン協奏曲第2番ロ短調Sz.112
チョン・キョンファ(ヴァイオリン)
サー・ゲオルク・ショルティ指揮ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団(1976.2録音)

バルトーク:
・ヴァイオリン協奏曲第2番ロ短調(1990.7録音)
・ラプソディ第1番
・ラプソディ第2番(1992.5&6録音)
チョン・キョンファ(ヴァイオリン)
サイモン・ラトル指揮バーミンガム市交響楽団

bartok_2_kyung_wha_rattle.jpg

成長、環境の変化、いろいろと理由はあるにせよ、この2枚の根底に流れるモノは驚くほど違う。もちろん15年近くの時を経ているとはいえ、同じ人間が演奏しているのだから大筋の性質には差はないのは当然。それでも、音楽の表面からその内側に至るまで随分と印象が違うのである。新盤のチョンは良くも悪くも落ち着き払っている。余裕があるというのか。逆に、旧盤にみられた龍馬的前のめり精神が薄れている気がしないでもない(まぁ、第1楽章のカデンツァを聴く限りにおいては音楽だけを感じさせてくれる新盤が僕の好みではある)。

しかし、この2つは両方大事にとっておこう。どちらが良いとか悪いとか判断できないから。おそらく気分と状態によって感じ方が都度変わるだろうし。

ただし、伴奏は断然ショルティ&ロンドン・フィルだ。年の功というのかどうかはわからないが、同郷の作曲家に対しての「愛」に満ち溢れているのが手に取るようにわかる。


2 COMMENTS

雅之

こんばんは。
>物を持つのは勝手でいいのだが、面倒をみないというのは罪なり。大昔に買ったままで聴いてもいない音盤たちよ、たまには取り出して聴いてあげるよ。
「LPが200枚あるとする。1日1枚聴いても、特定のLPにあたるのはせいぜい1年に1回」五味康祐
http://www.hmv.co.jp/news/article/902060115/
仮に5,000枚音盤を所有するということは、5,000人の奥さんを代わり番こに愛するようなもの。まさに大奥以上!! でも、それは果たして幸せなことなんでしょうか?
もっとシンプルに生きたいと、最近、切に思います。
キョンファのバルトーク新旧盤は一長一短で、私には両方決定盤とまではいきません。これも実演経験があれば印象が変わるのでしょうが・・・。
私の長年の愛聴盤は、テツラフ(ヴァイオリン)、ギーレン指揮ロンドン・フィルによるCDです。
http://www.amazon.co.jp/%E3%83%90%E3%83%AB%E3%83%88%E3%83%BC%E3%82%AF-VN%E5%8D%94%E5%A5%8F%E6%9B%B2%E7%AC%AC2%E7%95%AA-%E3%83%86%E3%83%84%E3%83%A9%E3%83%95-%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%86%E3%82%A3%E3%82%A2%E3%83%B3/dp/B000064TFU/ref=sr_1_3?s=music&ie=UTF8&qid=1296566407&sr=1-3
カップリングのバルトーク:無伴奏ヴァイオリン・ソナタも惚れ惚れする切れ味です。
いずれにせよ熱くて深いですね、バルトークは。

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岡本 浩和

>雅之様
こんばんは。
>もっとシンプルに生きたいと、最近、切に思います。
ほんとですね。五味康祐氏の言葉が刺さります。
バルトークはショスタコーヴィチ同様実演に触れないとわからない作曲家なんでしょうね。ご紹介のテツラフ盤は未聴ですが、いろいろな演奏に触れて勉強してみたいと思います。
>カップリングのバルトーク:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ
あー、これは良さそうだ!聴いてみたいっ!

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