「ゲノフェーファ」の予習をと思ったが・・・「タンホイザー」

wagner_tannhauser_maazel.jpg

エルーデ*サロンの電気使用容量は50アンペアである。今までブレーカーが落ちたことは一度もないが、たった今初めて落ちた(汗)。全部の部屋が使用されていて、暖房など全開だったものだからだろうが、それだけ今日が寒いということだ。日本海側の積雪は記録尽くめで、野菜の値段も高騰しているようだし、夏の猛暑といい、ここ数年の気候の中でも夏冬の気温差が最も激しいんじゃないのかな・・・。 

ほとんど30年ぶりくらいに日本橋人形町を訪れた。お江戸の中心という風情。都営地下鉄を乗り継いで、寒空の街を歩いていたら、お昼前に大行列が・・・。「何だろう?」と店の軒先をよくよく見てみると「玉ひで」の文字が。創業250年の親子丼発祥で有名な老舗だが、こんなに並ぶのか!というほどの列。美味しいのだろうが、たかが親子丼・・・。日本はやっぱり平和なんだとあらためて確認した次第。

電車に揺られながら、久しぶりにワーグナーでも聴きたいなと思った。「神々の黄昏」から「葬送行進曲」以降を・・・。


週末は待ちに待った歌劇「ゲノフェーファ」の公演。実に楽しみなのだが、少し予習をせねばと以前も採り上げたマズア盤を取り出そうとして、結局、ほぼ同時期に書かれ、2ヶ月差で初演された「ローエングリン」(カラヤン盤)を引っ張り出してきた。第1幕の前半と第3幕を抜粋で。実に良い。計算され尽くし、肌触りのよいカラヤン・サウンド。

それにしても、「ゲノフェーファ」はワーグナーのこの作品に決して劣ることのない音楽だと思うのだが、発表以降の評価は違った。繰り返し上演され、現代のオペラハウスのレパートリーとして定着している「ローエングリン」に対してシューマンの作品はあまりにも冷遇されてきた。序曲からして晩年のシューマンらしい、ふわふわと浮き立つようなニュアンスが素晴らしいし、全体のヴォリュームも含めて作品そのものがいかにも音楽愛好家向けだと思うのだけど。いずれにせよ、舞台をじっくり体感してみてからこの件についてはあらためて考えてみることにする。

ところで、ワーグナー。こんな音盤を持っていたんだ・・・と、マゼール指揮する「タンホイザー」の管弦楽編曲版。

ワーグナー:交響組曲「タンホイザー」(パリ版に基づくマゼール編曲版)
メンデルスゾーン合唱団
ロリン・マゼール指揮ピッツバーグ交響楽団

「指環」に続くマゼールのアレンジ・バージョンによる演奏だが、出来は圧倒的に「指環」の方が良い。ベルリン・フィルとのあの録音は初めて聴いた時とても感動した。
あの長大な、なかなか自分のものにすることができなかった「ニーベルンクの指環」を、良いとこどりで一気に親しみを感じさせてくれ、理解の一助たる役割を果たしてくれたから。

交響組曲「タンホイザー」の白眉は「第3幕より」かな・・・。メンデルスゾーン合唱団による合唱が加わってからの数分間は、ワーグナーの音楽の真の美しさをあらためて教えてくれる。

3 COMMENTS

雅之

こんばんは。
歌劇「ゲノフェーファ」の実演楽しみですね。
マゼールのワーグナー諸音盤については、私も岡本さんと同じような感想を持っています。
今日はご紹介の盤について、これ以上コメントする気になれません。
マーガレット・プライス(1941年4月13日 – 2011年1月28日)が亡くなったのを知りました。
彼女は私が生まれた1962年、「フィガロの結婚」のケルビーノ役でデビューしているんですよね。
『トリスタンとイゾルデ』全曲 カルロス・クライバー&シュターツカペレ・ドレスデン、マーガレット・プライス、コロ、他
http://www.hmv.co.jp/product/detail/1756158
のイゾルデなど、絶品で、初恋の人のように惚れました。
今までコメント欄では書く機会がありませんでしたが、ヒルデガルト・ベーレンス(1937年2月9日 – 2009年8月18日)も一昨年、日本で亡くなっていますよね。
『トリスタンとイゾルデ』全曲 バーンスタイン&バイエルン放送響、ベーレンス、ホフマン、他
http://www.amazon.co.jp/%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%82%B0%E3%83%8A%E3%83%BC-%E6%A5%BD%E5%8A%87%E3%80%8C%E3%83%88%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%81%A8%E3%82%A4%E3%82%BE%E3%83%AB%E3%83%87%E3%80%8D%E5%85%A8%E6%9B%B2-%E3%83%9B%E3%83%95%E3%83%9E%E3%83%B3-%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%83%BC/dp/B00005FEW6/ref=sr_1_1?ie=UTF8&s=classical&qid=1296652281&sr=1-1
指揮者の解釈はともかく、ベーレンスによる、このイゾルデやバイエルン国立歌劇場やメトの『指輪』でのブリュンヒルデも、可憐で大好きでした。
昔の恋人に相次いで旅立たれたようで、今とても寂しいです。

返信する
雅之

昨夜コメントを書いた後聴いたのは、昔、宇野さんの絶讃に影響されて買った、マーガレット・プライスによるシューベルトの歌曲集。
http://www.hmv.co.jp/product/detail/2757797
久しぶりに聴く、彼女の歌唱による「夕映えの中に」D799、やはり絶品だと思いました。泣けました。

返信する
岡本 浩和

>雅之様
こんにちは。
あ、そういえばそうでした。僕も朝刊で読んで吃驚したのですが、すっかり忘れていました・・・。
それに、ベーレンスも1年半ほど前でしたか、夏に亡くなってますよね。
いずれのイゾルデもおっしゃるように最高です!
>指揮者の解釈はともかく
前にも書いておられましたが、やっぱりバーンスタインの解釈はだめですか?(笑)
http://opus-3.net/blog/archives/2008/08/post-400/
あと、ご紹介のマーガレット・プライスによるシューベルトは未聴です。これはぜひとも聴いてみます。ありがとうございます。

返信する

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

アレグロ・コン・ブリオをもっと見る

今すぐ購読し、続きを読んで、すべてのアーカイブにアクセスしましょう。

続きを読む