ポリスの共時性

最後の最後、土壇場でとある企画が頓挫した。また一から出直し。というより、世の中そんなに簡単にコトが運ぶことは稀で、山あり谷あり、壁にぶつかって、方法を変え、行き着くものなのだから、とにかく諦めず粘ることだ。「天気を見て、農作業をしている人々に直に聞いてみて」、「自然の流れ」に任せるのがベストである。とはいえ、「聞き回る」という行動は常に起こさなければならない。

ポリスが結成30周年を記念して再結成し、とうとう26年ぶりに日本の土を踏む。最後のアルバム発表は、ちょうど僕が大学に入学した年のことだから 1983年のことである。その頃The Beatlesの音楽と出逢い、クラシック音楽一辺倒だった僕にとってロックやジャズなどのポピュラー・ミュージックへの扉が開かれた時期でもあった。
若者の間ではFEN(極東放送)のAmerican Top 40という番組が流行り、ラジオの周波数を810kHzにあわせ、ドライブしながら友人たちとよく聞いたものだった。まだまだCDも出始めた頃で、高額だったゆえ手は出ないし、大学生にはLPですらなかなか買えない頃だったので、FM放送を含めたラジオからの情報はとても貴重だったことを思い出す(そういえばJ-Waveも確かこの頃に開局したと記憶する)。

The Police:Synchronicity

83年の初夏に発売されたこのレコードは、あっという間に全米No.1に駆け上がり、特に、シングル・カットされた「Every Breath You Take(邦題:見つめていたい)」は流行りに流行った。

ところで、当時はあまり意識しなかったのだが、タイトルの「シンクロニシティ」とは?・・・
これは、カール・ユングが提唱した概念で、日本語では「共時性」という。
共時性とは、全く因果関係のなさそうな偶然の出来事も、偶然ではなく「何か偉大なるもの」の意図が働いて起こる現象だということらしい。なるほど「然るべくして遇う」ということか・・・。

「シンクロニシティ」というアルバム・タイトルではあるものの内容的にはあまり、というより全くユングとは関係なさそうだ。いずれにせよ、難しい話はきりがないので、ポリスの音楽を楽しもう。
ソリッドかつシンプルでとてもかっこいい。25年近く経た今も決して古びていない。来日公演が楽しみである。

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