できることをやろう!

音楽家というのは個性豊かな人たちが多い。
例えば、年季が入るにつれ演奏曲目を絞り込み、レパートリーが極端に狭くなるアーティストがいる。例えば、朝比奈隆は晩年はほぼブルックナーとブラームス、ベートーヴェンだけを振り続けた。アルゲリッチもソロをやらず、デュオとかコンチェルトに徹している。そういった天才たちの中でも特別にエキセントリックなのがカルロス・クライバー。その長い音楽家生活と途轍もない人気に比べその音盤の少なさは異常なほど。さらには80年代後半以降ほとんど舞台に上がらず、生きる化石と化していた。

その数少ないステージで振ったレパートリーというと、
①ベートーヴェン:交響曲第4番&第7番
②モーツァルト:「リンツ」交響曲&ブラームス:交響曲第2番
③モーツァルト:交響曲第33番&ブラームス:交響曲第4番
以上、ほぼこのプログラムだけをやり続けたのである。

それでもファンは彼を追っかけ続けた。おそらく自分が納得できない、自信のない曲は絶対に舞台にかけなかった。それゆえドタキャンも異様に多かったのが特徴。クライバーは生きたいように生き、やりたいようにやった典型的な「天才」であると思う。「最高の自分自身になる」ために常に自分と闘っていたのだろう。

「やりたいことをやろう。そして、できることをやろう。」
最近、僕はつくづくそう思う。

そういえば、明日13日はカルロス・クライバーの命日である。早いもので逝って3年になる。

ブラームス:交響曲第2番ほか
カルロス・クライバー指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

⇒旧ブログへ


1 COMMENT

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

アレグロ・コン・ブリオをもっと見る

今すぐ購読し、続きを読んで、すべてのアーカイブにアクセスしましょう。

続きを読む