すみだ学習ガーデン・さくらカレッジの『早わかりクラシック音楽入門講座』も早5回を終えた。受講いただいている皆様が熱心に聴講くださるので、毎回の準備を念入りに、より良い講座にするべくこちらも気が抜けない。
それこそ僕如きが、趣味が高じたばかりに「クラシック音楽講座」なんていうものを始めて丸5年が経過するが、「石の上にも3年」、「継続は力なり」、どんな質問が飛んできても相応にきちんと答えることができるのだから「好きこそものの上手なれ」、面白いものである。
ちなみに、本日の講座のテーマは、昨年生誕200年を迎えたシューマンとショパン。作曲家にまつわるほんの少しの裏話を披露しながら彼らの音楽をDVDやCDで楽しんでいただいた。冒頭に、ホロヴィッツが60年ぶりに祖国ソビエト連邦に凱旋帰国し、演奏会を開いた際のアンコールでの「トロイメライ」の映像を観ていただいたが、ため息が出るほど美しく、どんな瞬間も意味のある音が奏でられており、それを聴く初老の男性の涙する姿が映されたときには、皆さん物音ひとつ立てずに静まり返って聴いらしたのが印象的。
「トロイメライ」、すなわち子どもの頃の夢想する姿が描写されるこの音楽は、我々に余計な概念を捨て、ありのままの姿に立ち返るよう求めてくる。「空想」こそが子どもの特権であり、そういう創造的姿勢を絶やさないことが人が人らしく生きるためのコツなんだと教えてくれるよう。
ところで、今夜はハービー・ハンコックの名盤を。
Herbie Hancock:Speak Like A Child(1968.3.6&9)
Personnel
Thad Jones(fluegelhorn)
Peter Phillips(bass trombone)
Jerry Dodgion(alto flute)
Herbie Hancock(piano)
Ron Carter(bass)
Mickey Roker(drums)
アルバム・タイトルといかにも無関係のように見えるジャケット写真の素晴らしさよ。
男女の対話、すなわち恋物語にこそ最も「創造性」が反映されることをハービーは知っているということなのか・・・。まさに「脳幹」から湧き出た音楽たちが、全編を通じて縦横無尽に横溢する。
「子どもの頃の感性を取り戻せ」、すなわち「自然体で」というメッセージが、基本的にはトリオ体制で収録された各曲から漏れ聞こえてきそう・・・。
今日も一日が長かった・・・。だいぶカフェインを摂取したが、長時間覚醒しているせいかさすがにそろそろ眠くなってきた・・・。風呂に入って眠ることにする。
おはようございます。
ホロヴィッツについては同感、ご紹介のハービー・ハンコックの名盤は残念ながら未聴です。
今朝は、以前岡本さんにオススメしたけど、その気になられてないよう(誰でもそれが当たり前で普通 笑)なので、再度オススメしたいBDを。
シューマン:ピアノ協奏曲、交響曲第4番、他 アルゲリッチ、シャイー&ゲヴァントハウス管弦楽団
http://classic.opus-3.net/blog/?p=8359#more-8359
この中で、シューマンの、
・交響的練習曲~アダージョとアレグロ・ブリランテ(チャイコフスキー編曲)
・『子供の情景』~見知らぬ国と人々から(ラヴェル編曲)
・『謝肉祭』より〜 前口上、ドイツ風ワルツ、間奏曲『パガニーニ』、フィリスティン(ペリシテ人)と戦うダヴィッド同盟の行進(以上 ラヴェル編曲)
が聴けるのが資料的にも極めて珍しく貴重で、とにかく一聴の価値はあります。チャイコフスキーとラヴェルの管弦楽法の違いが興味深いし、二人の後輩作曲家のシューマンへの敬愛ぶりをしっかりと味わえます。
チャイコフスキーは『くるみ割り人形』、ラヴェルは『マ・メール・ロワ』『子供と魔法』などの傑作を残し、二人とも子供はいなかったけれど、童心を終生持ち続けた作曲家でした。
アドレス間違えました。すみません。
シューマン:ピアノ協奏曲、交響曲第4番、他 アルゲリッチ、シャイー&ゲヴァントハウス管弦楽団
http://www.hmv.co.jp/product/detail/3771325
参考サイト
http://blog.livedoor.jp/ot521/archives/51755589.html
http://robert-schumann.com/db/w_list/w_list_19.html
>雅之様
こんにちは。
>以前岡本さんにオススメしたけど、その気になられてないよう
失礼しました。すっかり記憶が遠のいておりました(苦笑)
いや、確かに一聴の価値ありですね。今度こそ聴きます。
しかし、その気になっていないことがどうしてわかったのでしょうか??(笑)
参考サイトもありがとうございます。
勉強させていただきます。
特にラヴェルによるシューマン『謝肉祭』全曲オーケストレーション版は、せっかく全曲書かれていたにもかかわらず、一部しか現存していないのが残念です。『展覧会の絵』と並び立つ傑作だったかもなんて、残された4曲を聴いて「空想」してみるのも、子どもの特権だもんね。
>雅之様
>一部しか現存していないのが残念です。『展覧会の絵』と並び立つ傑作だったかもなんて、残された4曲を聴いて「空想」してみるのも、子どもの特権だもんね。
同感です。