これが俺たちの世代

第8回「早わかりクラシック音楽入門講座」で歌劇「魔笛」を観た。
わかっちゃいるけれど滅法感動した。お客様にも喜んでいただけた。何より大スクリーン&大音量で鑑賞するオペラの醍醐味よ。数多あるオペラの傑作中の傑作である「魔笛」については、どれほど演出が自分的趣味じゃなくてもその圧倒的音楽が聴く者の心を捕えて離さない。2時間という時間制約上、省いてもストーリー展開上さほど問題にならない約45分ほどをカットした(主要なアリアはほぼ網羅したので問題なし)。
こうなったら現在リリースされている「魔笛」の映像を全て観てみたい、そんな欲求に駆られた。今更だが、人生何度目かの「魔笛」ブーム(笑)。

そういえば今日はロンドン・オリンピックの開会式。その時間はまさに暑中稽古だったため録画しておいた。夕方、一気に観た。何よりイギリス音楽の懐の深さを思い知らされた。そもそも英国国歌に昔からなぜかシンパシーを感じる僕ゆえ、エルガーの”Nimrod”はもちろんのこと、ブリティッシュ・ロックの種々名曲が奏でられた時には涙が出そうになった(一発目の”Jerusalem”美しかったなぁ。それと、どのタイミングだったか忘れたが、BGMにフロイドの”Eclipse”がB使われていたのには受けた)。大トリがPaul McCartneyの”Hey Jude”とは!!(何となく違和感を感じないわけでもなかったが、ポールの登場というのは順当だろう)

今夜はヴォルフガング・サヴァリッシュ指揮バイエルン国立歌劇場の「魔笛」でもゆっくり観ようかと思っていたが(後日に譲る)、開会式を観たお蔭で心変わり。ブリティッシュ・ロックの名盤を取り出した。学生の頃、さんざん聴いたもの。懐かしい・・・。

The Who:My Generation

Personnel
Roger Daltrey (lead vocals)
John Entwistle (bass, vocals)
Pete Townshend (guitar, vocals)
Keith Moon (drums, percussion)

主に1965年に録音されたこの1枚によりザ・フーは一気にスターダムを駆け上がった。熱い!!荒削りでありながら、当時のロック音楽の最先端を行っていた彼らの演奏と音楽は今でも恐ろしいまでのエネルギーを放つ。

“My Generation”
話そうぜ、俺たちの世代のことを
みんな俺たちをへこまそうと躍起だ
あいつらのやってることってすごく冷淡さ
年をとる前に死にたいぜ
これが俺たちの世代

なお、全曲をNicky Hopkins (piano)がサポート、ボーナス・トラックの”Bald Headed Woman”にはJimmy Pageが参加している(もちろんツェッペリン結成前)。


3 COMMENTS

雅之

こんばんは。

6・27 浜離宮での「モンゴーアのプログレ大会」について、当日聴いた渡辺和彦氏が、現代ギター8月号(現代ギター社)の連載「a tempo日記」で大絶賛されておられたのを読みました。
やはり当日会場で聴かれた岡本さんには、ぜひ全文お読みいただきたいのですが、ほんの一部分だけご紹介しておきましょう。

・・・・・・ショスタコーヴィチが終わるとプログレ大会とあいなった。〈太陽讃歌〉が始まった途端、同席した連れに「あ、ショスタコーヴィチだ」と呟いてしまった。鋭角的なザッ、ザッという響きが、怒りのショスタコーヴィチ節を思わせたる。演奏者いわく。「怒りを音として直接ぶっつける音楽って、クラシック系ではショスタコーヴィチ以外にあまりないんですよ。政治は何してるんだーッ、とかね。プログレにはそれがある」。こじつけではなく、ショスタコーヴィチの後にピンクフロイドやELPやクリムゾンが続いても全く違和感がない。弦楽四重奏で再現されたからということが大きいにしても、音楽としてのテイストがそもそも似ているのだ。

〈メタル・マスター〉。これはプログレではなくてご存知“ヘヴィメタ”。演奏しながら4人が「マスター!」と叫び出した瞬間、会場は大爆笑。当日のプログラム解説(これも荒井自身が執筆)を引用すれば「解析不能な変拍子にダイナミックな展開。攻撃性と叙情的な要素。(中略)。同時にショスタコーヴィチ的でもある。ショスタコーヴィチも時に『ヘヴィーメタル』そのものである」。賛成!
(中略)
 公演の結果はまったく予想できなかった。閑古鳥が泣く悲惨なガラガラ公演か超満員か。どっちかだと予想した。前者だったら、曲も曲だしシラけただろうな。
 後者だった。しかも若いカップルが断然多い。1970年代にはまだ生まれていなかったであろう若者が大挙押し寄せた。キャパシティ552の会場即売CDの売上が180枚弱だったというのもすごい。列席者の3人に1人がCDを買って帰った計算になる。苦戦するCD販売の良い見本だ。・・・・・・

ところで、首相官邸前など各地で繰り返し実施されている「脱原発」「原発再起動反対」大規模デモと、「政治は何してるんだーッとか、怒りを音として直接ぶっつけるショスタコーヴィチや、プログレなどの、あのころのロック」とは、志や精神が近いと感じています。

・・・・・・話そうぜ、俺たちの世代のことを
国や電力会社は俺たちをへこまそうと躍起だ
あいつらのやってることってすごく冷淡さ
放射線や核廃棄物で国全体が汚染される前に死にたいぜ
これが俺たちの世代・・・・・・

その怒りこそが、明日をより良くための生きるパワーになるのだ!!

〇〇な岡本さんには賛成していらん(爆)。

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岡本 浩和

>雅之様
おはようございます。

これはちょっと立ち読みしてきます。ありがとうございます。

>キャパシティ552の会場即売CDの売上が180枚弱だったというのもすごい。

そうだったんですね!それはすごい。僕は足早に家路についたのでその光景は見ておりませんが、終演後のロビーの熱気は相当なものでしたね、そういえば。

>その怒りこそが、明日をより良くための生きるパワーになるのだ!!
>〇〇な岡本さんには賛成していらん

賛成!!!

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