久しぶりにルービンシュタインのショパンを「真面目に」聴いた。
言うなれば僕のクラシック音楽趣味の原点である。アナログ・レコードの時代からお世話になり、それこそ擦り切れるほど聴いた巨匠の音楽は、今もってしても輝かんばかりの光彩を放つ(と僕は思う)。
8月18日(土)の”Music Door Vol.3~ドビュッシー生誕150年記念リサイタル”にナビゲーターとして出演することが決定し、よくよく考えるとあと3週間後に迫っている。さて、そろそろどんな話をするか少しずつ考え出さないと・・・。
ドビュッシーは若い頃から音楽的にショパンの影響を受けていたのは周知の事実で、このあたりを掘り下げるより(というか音楽語法などを深掘りして話をするのは僕には無理)、人となり、あるいは恋愛遍歴(ドビュッシーは恋愛についてもショパンを倣ったのだろうか・・・笑)あたりを軸にするのが順当かなと、いくつか資料をひもときながら頭の中でいろいろとイメージしてみた。確かに両人とも「女性経験」については相当の強者で、そのことが彼らの「音楽」に多大な影響を及ぼしていることは間違いないと思われる。彼らの名曲群は、その時その傍らにいる女性たちがもたらしたものだと言っても言い過ぎではなかろう。
例えば、当日のメイン・プログラムになる「子どもの領分」は、不倫相手だったエンマ・バルダック夫人(後に結婚)との間に生まれたシュシュのために書かれたものだし、前奏曲集にもエンマの影なる力が作用している。初期のアラベスクだって当時の恋人の影響は大いにあろう。それに、ショパンの「英雄ポロネーズ」は愛人ジョルジュ・サンドとの蜜月の最高潮の頃、つまり公私ともに、そして心身ともに最も充実していた頃の作品だ。スケルツォ第2番は、ジョルジュ・サンドと知り合うも、マリア・ウォジンスカのことが忘れられず、サンドのしつこい求愛を拒み続けていた頃に確か書き上げたもの。「別れの曲」に至っては、サンドと知り合う前。こちらにも当然女性の影がちらちらする。
ルービンシュタインのこの普遍的ともいえる大らかさと繊細さの混じる究極のショパンの表現は、根底にショパンへのシンパシーなくしてはあり得ない。おそらく人間的にも共感しているのだと思われる。
そういえば、ルービンシュタインは相当な「女たらし」だったらしい。
90歳の時のインタビューより。
「チャイコフスキーの音楽は思春期には重要でした。彼の音楽が流れていると女性ととても上手くキスできたんです」
「私は女性をもっぱら愛しました。きれいな女性にはいつも興味を持ちました。今でも女性は必要です。愚かな女性でもいいんです。だってその人は女性なのですから」
恐れ入ります。ムーサとエロスというのは切っても切れないもの・・・。
こんばんは。
ふと思いました。
浮世絵から多大な影響を受けたドビュッシーは、
当然、当時同時に輸入されたであろう春画(枕絵)
http://www.youtube.com/watch?v=qqKarRHRtaM
の存在も知っていて、ニヤつきながら鑑賞していただろうと・・・。
12の前奏曲、12の練習曲、一巻 二巻あれば24曲、その倍数は48曲・・・四十八手
揚羽本手 (あげはほんて)
網代本手 (あじろほんて)
筏茶臼 (いかだちゃうす)
イスカとり (いすかとり)
入り船本手 (いりふねほんて)
石清水 (いわしみず)
浮き橋 (うきはし)
うぐいすの谷渡り (うぐいすのたにわたり)
後ろづけ (うしろづけ)
後櫓 (うしろやぐら)
後ろ矢筈 (うしろやはず)
内枠 (うちわく)
押し車 (おしぐるま)
織り茶臼 (おりちゃうす)
抱えどり (かかえどり)
鏡茶臼 (かがみちゃうす)
鴨の入首 (かものいりくび)
唐竹割り (からたけわり)
雁が首 (かりがくび)
菊一文字 (きくいちもんじ)
砧 (きぬた)
首引き恋慕 (くびひきれんぼ)
壽本手 (ことぶきほんて)
炬燵かがり(こたつかがり)
炬燵隠れ (こたつがくれ)
零松葉 (こぼれまつば)
御所車 (ごしょぐるま)
碁盤責め (ごばんぜめ)
逆手からみ (さかてからみ)
下がり藤 (さがりふじ)
笹舟本手 (ささぶねほんて)
座禅ころがし (ざぜんころがし)
志がらみ (しがらみ)
しき小股 (しきこまた)
時雨茶臼 (しぐれちゃうす)
獅子舞 (ししまい)
忍び居茶臼 (しのびいちゃうす)
絞り芙蓉 (しぼりふよう)
しめ小股 (しめこまた)
〆込み千鳥 (しめこみちどり)
〆込み錦 (しめこみにしき)
撞木反り (しゅもくぞり)
巣篭もり (すごもり)
裾野 (すその)
反り観音 (そりかんのん)
宝船 (たからぶね)
襷がけ (たすきがけ)
立ちかなえ (たちかなえ)
立ち花菱 (たちはなびし)
立ち松葉 (たちまつば)
立て膝とり (たてひざとり)
俵抱き本手 (たわらだきほんて)
抱き上げ (だきあげ)
抱き地蔵 (だきじぞう)
達磨返し (だるまかえし)
千鳥 (ちどり)
千鳥の曲 (ちどりのきょく)
茶臼がらみ (ちゃうすがらみ)
茶臼伸ばし (ちゃうすのばし)
突き回し (つきまわし)
月見茶臼 (つきみちゃうす)
机がけ (つくえがけ)
燕返し (つばめがえし)
つぶし駒掛け (つぶしこまがけ)
釣瓶落とし (つるべおとし)
手懸け (てがけ)
梃子かがり (てこかがり)
富車 (とみぐるま)
鳴門 (なると)
虹の架け橋 (にじのかけはし)
花葵責め (はなびしぜめ)
浜千鳥 (はまちどり)
番外(ばんがい)
ひよどり越え (ひよどりごえ)
ひよどり越えの逆落とし (ひよどりごえのさかおとし)
白光錦 (びゃっこうにしき)
二つ巴 (ふたつともえ)
仏壇返し (ぶつだんがえし)
帆かけ茶臼 (ほかけちゃうす)
本駒がけ (ほんこまがけ)
本茶臼 (ほんちゃうす)
松葉崩し (まつばくずし)
松葉反り (まつばぞり)
窓の月 (まどのつき)
卍崩し (まんじくずし)
乱れ牡丹 (みだれぼたん)
深山本手 (みやまほんて)
手椋鳥 (むくどり)
八重椿 (やえつばき)
櫓立ち (やぐらだち)
八つ橋 (やつはし)
流鏑馬 (やぶさめ)
横取り (よこどり)
横笛 (よこぶえ)
寄り添い (よりそい)
理非知らず (りひしらず)
誰か有能な作曲家が、この副題付きで、「24の前奏曲とフーガ、一巻・二巻」を 作曲したらさぞ面白かろうと、寝る前に勝手に妄想しました(笑)。
>雅之様
おはようございます。
素晴らしい!
雅之さんのイマジネーションには畏れ入りました(笑)
>誰か有能な作曲家が、この副題付きで、「24の前奏曲とフーガ、一巻・二巻」を 作曲したらさぞ面白かろう
なるほど!
前奏曲とフーガそれぞれに副題をつけて対にすると1巻だけで済みますね。
これは誰だろう?
加古隆あたりでしょうか?
いや、やっぱり真面目に吉松先生かな?(笑)