時折どうして持っているのかよくわからない音盤に出くわす。おそらくその時の何かの興味で購入し、一度くらいは耳にするもののすっかり忘れて棚の奥に眠ってしまっているという代物たち。
しかし、そういうものの中には飛び切りの絶品があることも多い。時を経て、なるほど今だからその音盤の価値が十分に理解でき、いろいろな意味で手元にあって良かったと思えるようなもの。例えば、ここ数日は第二次世界大戦前後のヨーロッパの音楽を多角的に聴いているが、1930年代から40年代にかけての貴重な演奏会の模様を収めたドキュメントを発見して小躍りした。これがまた実に良いのである。
そこにはトスカニーニが演奏する英国国歌があった。シベリウスの自作自演である「アンダンテ・フェスティーヴォ」も。さらにはエルガー自作自演の第2交響曲抜粋、あるいはヴァレーズの「イオニゼーション」の世界初演後の初録音も・・・。
曲目を見て、僕が購入した理由はただひとつ。おそらく戦時中のウィーンでのフルトヴェングラーのベートーヴェン第9交響曲のアダージョ楽章(これは多分他ではリリースされていないものだったと思う)目当てだったと思われる。
基本的にどのトラックも鑑賞に堪えうる音質であることが嬉しい。ヘンリー・ウッドによるベートーヴェンや肝腎のフルトヴェングラーの第9などは途中で数ヶ所音が抜け落ちているものの、最高!!特に、当時のムジークフェラインでのフルトヴェングラーのベートーヴェンはもう神懸かり的。やっぱりこの人は凄い。
それと意外にもトスカニーニの英国国歌が素敵。シベリウスの自作自演も、エルガーのそれももう涙が出そうなくらい。あと、珍しいのはストコフスキーによるテルミン協奏曲!!
こんなコンチェルトがあったとは知らなかったし、ほとんど初めて聴いたようなものだけれど(苦笑)、新しモノ好きストコフスキーが絡んでいるところが絶妙の妙!
意外なことにテルミンの不思議な音がオーケストラにマッチしており、良い曲だなと思えるところがいかす。
本日、ワークショップZERO第1日目終了。例によって素敵な会でした・・・。
こんにちは。ヤマザキです。
私もストコフスキーのテルミン協奏曲はnaxosのネットで
聴きました。テルミンは数年前映画にもなって一時話題に
なっていましたが、こんな録音が残っているとは確かに
新し物好きのストコフスキーらしいですね。
大作曲家の演奏というCDでエルガー指揮「威風堂々」とか
ホルスト指揮「惑星」を聴いたことがありますが、当時の
演奏はかなりテンポが動いていて、現在主流のいわゆる
楽譜に忠実な演奏とは一味違います。
>ヤマザキ様
こんにちは。
この音盤すっかり忘れていたのですが、ストコフスキーのテルミン協奏曲を聴いて面白いなぁと一層ストコフスキーにも興味持ちました。面白い演奏あったらぜひご教示ください。
>当時の演奏はかなりテンポが動いていて、現在主流のいわゆる楽譜に忠実な演奏とは一味違います。
そうなんですよね。結局楽譜というのは作曲者の「思考」のすべてを記号化できないということですね。