コープマンのバッハ「管弦楽組曲」

山中湖畔のとあるログハウスに滞在中。
行楽日和。といっても休暇ではない。「新人研修」である。
本日もとても前向きで素直な若者に囲まれて有意義な時間を過ごした。明日一日まだまだ続くが、さてどんな変化が起こるか、楽しみである。
ところで、長い夜をゆっくり過ごすのに、明後日のクラシック音楽入門講座の予習を兼ねてバッハの管弦楽組曲を観た。
この音楽を映像付でじっくり鑑賞したのは初めてかも。古い映像だけれど、ピリオド・スタイルのこの演奏はシャープで軽快で、バロック音楽の神髄を極めて的確に表現しているようで、一般の方々にもお薦め。
とはいえ、僕の「好み」からすると正直物足りない。もっと浪漫的で重厚な、今となっては「古臭い」と思われるようなバッハ演奏がやっぱり僕好みなのである。
その意味では、本日の研修に使用した音源、クレンペラーによるエアーなんていうのは、あまりに鈍重でねちっこく、逆にもたれるという感想もあるだろうが、ああいうのが落ち着くのである(笑)。
いずれにせよ、賛否両論。後は聴く側の嗜好の問題。
果たしてこういう学術的な研究に基づく演奏が「正しい」のかどうなのか僕には判断できないが、こういうアプローチもありということで認識するに留めておく。

J.S.バッハ:管弦楽組曲全曲BWV1066-1069
トン・コープマン指揮アムステルダム・バロック・オーケストラ

1989年のコピーライトがついているから収録はおそらく25年ほど前のものだと思われる。
オーケストラとはいえ、各楽器ほぼ1人という編成。ゆえに音の厚みは極めて薄い。これがあの当時のスタンダードなんだといわれればそれまでなのだけれど、やっぱりいささか軽い。ただし、各奏者の演奏テクニックは抜群。アンサンブルも見事。本当に巧い。
それに、指揮のコープマンが通奏低音を兼ねていて、そのチェンバロがまたさすがの腕前で、結局舌を巻くことになる。

ちなみに、管弦楽組曲の成立事情は正確にはわかっていないそう。推測としてはケーテン時代の作という説あり、あるいはライプツィヒ時代のコレギウム・ムジクムの演奏会のために書いたという説あり。
たった今、第3組曲のエアーが流れる。どんな編成で、どんな演奏で聴いても素敵、だ。

もはや頭が回らぬ。今夜はここまで・・・。


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