バルトーク:子どものために

4月に入って滅法忙しい。
ゆっくり音楽を聴いて感じ考える時間を捻出するのに一苦労。

今日、とある大学の授業で「価値観を知る」ためのワークをやった。
そこで、ある女の子が、子どもの頃から「本の虫」で、最低でも年間360冊の本を読むということを聞いて吃驚した。1日に1冊のペース、しかも、ジャンルを問わないのだと。若者が活字離れだというこのご時世にたいしたものだと突っ込みたくなり、少し脱線していろいろと問うてみた。すると、いわゆる「速読」が生れついてできるのだと。写真を撮るようにページを記憶していくのかと聞いたらそうではなかった。例えば、文庫本なら2ページ分を平均4秒できちんと「読める」のだという。ちなみに、夏目漱石の「吾輩は猫である」の上巻を24分で完読したらしい。方法を教えてくれと願ったら、それは自分でもわからなく、説明できないのだと。要は天才。今どきの少年少女には宇宙人がいるものだ・・・。

駅前に停めてあった自転車が撤去されていた・・・。
よもや鍵を切断して持って行かれるとは思いも寄らなかったから少々ショック。保管料という名の多少の罰金があるが、そんなことより返還手続きに出向く時間がない(何せ火曜日から土曜日までの13時から18時の間に手続きせよと)。困ったものだ。

憂さ晴らしにバルトークを聴いた。1908年~09年にかけてバルトークが教育用に書いたピアノ曲集。
バルトークは生涯作曲の弟子をとらなかった。
「作曲は教えるものではないし、そもそも私には不可能だ」という言葉を手紙に残しているくらい。なるほど、「天才」というのはメソッド化できないということか。真理が言葉に表せないのと同じく。
ベラ・バルトークも宇宙人だ・・・。

バルトーク:子どものためにBB53, Sz.42(1943年改訂版)
・第1巻
・第2巻
・第3巻
・第4巻
ゾルタン・コチシュ(ピアノ)(1994.4録音)

第1&2巻がハンガリー民謡、第3&4巻がスロヴァキア民謡に基づくもの。
技巧的にはそれほど難しいものではないみたい。
それでも、音楽としてはいかにもバルトークらしい荒々しい側面や(「アレグロ・バルバロ」の木魂も聴こえる)、一方で本当に愛らしい側面(後のキース・ジャレットのソロ作品風の音楽のよう)が随所に明滅し、聴いていて楽しくなる。ただの教材用曲集でないことは確か・・・。
コチシュの演奏にはバルトークへの愛が横溢する。ひとつひとつ丁寧に、思いを込めて弾き切っているのが手に取るようにわかるから。あるいは彼自身、子どものような天真爛漫な感性で音楽を奏でているのかも。


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