TANNOY Stirling/HW

ravel_bolero_cluytens.jpg雪混じりの都心の午前。今日はまる一日「引越し」作業に追われた。軽トラックをレンタルし、向かう先は二子玉川の知人宅。以前ブログで書いたように、ご自慢のオーディオ装置一式をついにいただける日が来たのだ。スピーカーはTANNOYのStirling/HWとMayfair(これだけでもう70万円相当)。それにアンプがAccuphaseのE-305、他にもアナログ・プレーヤー、CDプレーヤーなどなど。しばし歓談後、喜び勇んで家路に向かったが、自宅がエレベーターなしの4階にあるものだから、搬入が予想以上に大変。何せスピーカー1本が30kgくらいあるのだから、これらを担ぎ上げながら上り下りを都合5回ほど。さすがに一人では運び切れないだろうと予想し、事前にH君に搬入だけ手伝ってもらえるようお願いしておいたが、大正解。本当に助かりました。感謝です。

それにしてもこれほどの筋力トレーニングをしたのはいつ以来だろう(笑)。とにかく身体中の筋肉に乳酸が溜まっているのが明らかで、だるくて仕方がない。何もやる気が起こらないくらい「疲労」してしまっている(昔、部活動などで猛練習をした後の疲労感と同じ)。まぁ、体が相当鈍っているということなのだろうから、これを機に多少の運動を日々課す事にしてもいいのだけど・・・(先日の健診では骨密度が平均より多少低いと指摘されたこともあるし・・・)。

夜、やっとのことでセッティングが終わり、少し鳴らしてみた。多少低音域が弱いと感じたので、いろいろとスイッチをいじって調整。最終的には僕好みの低音ずっしり、中音域がすかっと抜ける音になった。来週末の「早わかりクラシック音楽講座」が楽しみです。ご来宅予定の方々、乞うご期待!

ちなみに、以前から所有するHARBETHのHL Compact7は仕事部屋へ移動。こちらも今まで以上に可愛がる予定。

ポール・パレー&デトロイト交響楽団の「ボレロ」を聴いたが、いかにもアメリカのオケらしい妙な明るさがいただけない(というより僕好みじゃない)。巷に「ボレロ」の録音は溢れかえっているが、どの演奏を聴いても僕のツボにはまる演奏になかなか出くわさない。そもそもラヴェルの「ボレロ」といえば、ジョルジュ・ドンというほど、彼の代名詞になっているが、純粋に管弦楽として楽しむなら、ラヴェルを振らせたら右に出る者はいないであろうアンドレ・クリュイタンスの音盤。

ラヴェル:ボレロ
アンドレ・クリュイタンス指揮パリ音楽院管弦楽団

テンポといい、楽器のバランスといいとにかくベスト!
昔、まだクラシック音楽を聴き始めたばかり頃、気障でお尻が痒くなるような印象で、しばらく遠ざかっていたフランス音楽に開眼させてくれたのが、クリュイタンスの「ボレロ」。もう30年近くになる。懐かしい。(クリュイタンスのラヴェルはどれも最高。ラ・ヴァルス然り、亡き王女然り、スペイン狂詩曲然り・・・。それに、以前書いた来日公演盤!!)


3 COMMENTS

雅之

おはようございます。
日本のオケを贔屓にしている私ですが、「ボレロ」くらい日本のオケの魅力のなさを痛感させられる曲はありません。何度ナマを聴いても納得できたことがありません。いや、日本のオケに限りません。現在のベルリンフィルやシカゴ響でもダメでしょう。楽員ひとりひとりの高度な技術かつ、色彩感の馥郁たる香りの音楽性が要求されるこの曲は、今の指揮者とオケからは求めても無駄とさえ思えてしまいます。
>クリュイタンスのラヴェルはどれも最高。
まさに同感です。クリュイタンス&パリ音楽院管弦楽団の組み合わせのようなラヴェルの理想の音を出せる演奏家は、もう二度と現れないかもしれませんね。
ところで、この曲のテンポについて。
手元にあるEulenburg・全音楽譜出版社のスコアの、オレンシュタイン氏による解説の中に、次のような興味深い記述がありました。
「ラヴェルが所有していた《ボレロ》のスコアは、現在パリの国立図書館の音楽部門に所蔵されているが、このスコアには注釈がつけられている。すなわち、四分音符=76(トスカニーニはNBC交響楽団との録音でこのテンポを守っている)のテンポ表示は線で消されて、四分音符=66と書き変えられている(ラヴェルはラムルー管弦楽団との録音でこのテンポを厳守している)。しかし、後の《ボレロ》の出版譜では四分音符=72と表示されている。実際、ラヴェルの厳格な演奏(15′50″)はトスカニーニの熱烈な演奏(13′25″)とまったく異なっている。テンポの両極端は、ラヴェルの音楽仲間のポール・パレー(13′00″)とペドロ・デ・フライタス=ブランコ(18′25″)である」
クリュイタンスの演奏は手持ちのCDで(15′26″)くらいなので、ラヴェルの自演盤に近いですね。
いろいろな「ボレロ」を、私もいいオーディオ装置で聴き比べてみたいものです。羨ましいです!
(コメント、誤字訂正しました)

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岡本 浩和

>雅之様
おはようございます。
オレンシュタイン氏の解説は興味深いですね。
テンポそのものについて2種の解釈が可能だは!これは知りませんでした。ただ、だとしても、僕はパレーよりクリュイタンスですね。ラヴェルの自作自演盤は未聴ですが、聴いてみたくなりました。

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アレグロ・コン・ブリオ~第4章 » Blog Archive » ジュリーニのドビュッシー&ラヴェル

[…] 本日の「早わかりクラシック音楽入門講座」では、チェリビダッケ&ミュンヘン・フィルによる「ボレロ」の後、モーリス・ベジャール振付によるジョルジュ・ドンの「ボレロ」を観ていただいた。コンサートとバレエとを比較する意味合いもあってのことだが、それより何よりチェリビダッケの丁寧な、というか遅々としたスピードが一層際立ち、やっぱり僕的にはクリュイタンスのような、洒落て軽快なテンポの方が活き活き感が伝わり、好きだと思ったことが大いなる気づき。 ただし、チェリビダッケのテンポでいくと楽曲の隅々までもがしっかり見通せてより深く「ボレロ」という音楽の構成が読み取れたので良かった(それにしてもあの流れを維持するのに奏者は大変だろうなとも思ったけれど)。 […]

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