神秘な防壁

couperin_baumont.jpg今日も暑い。梅雨はまだ明けない。そして、午後から丸一日東銀座。
旅館・吉水
のかくえホールにて愛知とし子が「赤ちゃんと寄り添って聴く・・・カノン」(子育てサロン・ナチュラーレ主催)に出演するので、かつての教え子だった友人たちにお客様として子連れで参加いただいた。終了後に近くのNew Yorker’s Caféに呼ばれお茶をしたのだが、初めて会った10年近く前は学生たちだった彼女たちが子持ちの立派な(笑)女性になっていたので、月日の経過の速さと同時に人間の成長度合いの鋭さを実感させられて驚きを隠せなかった・・・。やっぱり人は結婚して子どもができると大きくなる。

今回のコンサートは0歳児とお母さんのために「癒し」をテーマに開催されたものだが、赤ちゃんには(おそらく前世の記憶もまだまだあり)大人には見えない何かが見えて何かが聴こえているらしい。いつもはじっとしていない、あるいは泣きじゃくるという赤子たちがシーンと静まり返り、じっと愛知とし子が奏でる音楽に耳を傾けていたのだという。それに、面白いのはピアノの音色につられてかどうか気持ち良さそうに排便するとも(笑)。まさにデトックス効果。特にこの「かくえホール」のベーゼンドルファーはとても出来が良いらしく、しっとりとした落ち着く気持ちの良い音色を奏でてくれるということだ。
お客様には大変好評だったようで、こういうイベントが継続して開催されると良いと思う。「人間力」という観点から言っても、子どもの頃から「耳に優しい良い音楽」を聴くことはとっても重要だ。

19:00から別件で同じ東銀座にてアポイントがあったので、1時間ほど銀座をぶらぶらした。さすがに大人の街。新宿の喧騒とは違う「賑やかさ」と「落ち着き」が特長・・・。
ふらっと立寄った山野楽器で気になっていたCDを購入した。

クープラン:クラヴサン名曲集
オリヴィエ・ボーモン(クラヴサン)

17世紀フランスの巨匠、フランソワ・クープランのハープシコード名曲集。先日NHK-BSで見て、気に入った第6組曲の「神秘な防壁」が収録され、かつ¥1,000という廉価盤だったので無条件に買う(オリヴィエ・ボーモンというクラヴサン奏者のことも初めて聞いた名前で、どんなものかという興味もあったが・・・。1960年生まれだというから今年で48歳か)。当然ながら、テレビで観たローランド・ペンティネンのピアノ演奏とはまた違った印象を受けるが、楽器は違えどやっぱりこの音楽はぞくぞくするほど良い。「神秘な防壁」というタイトルが何を意味しているのかは様々な説があるようだが、僕には「人間が生まれながらにして持ち、大人になるにつれ厚みを増していく『殻』のようなもの」を指しているのではないかと思えてしまう。とても「癒し」に満ちた楽曲で、赤ちゃんにストレートに音楽が響くように、後天的に学習していく「癖=防壁」を破ってくれるような波動をもっている本当に「優しい」音楽だ。未聴だが、アンジェラ・ヒューイットのピアノ版演奏もリリースされているのでいずれ近いうちに聴いてみたいと思っている。

ちなみに、今年はクープラン生誕340年。蒸し暑い夏の夜にルネサンス音楽は心地良い。

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