リヒャルト・シュトラウスの真骨頂は無論オペラにあると思うのだが、いかんせん彼のオペラの聴き込みがまったくもって足りない僕にとって、一層親しみがもてるのは彼の交響詩や交響曲などである。これらの管弦楽曲に関しては、基本的にカラヤンの音盤さえあれば事は十分足りると勝手に思い込んでいるのだが、ここにひとつ重要なボックス・セットがある。
R.シュトラウス:管弦楽作品集
ルドルフ・ケンペ指揮シュターツカペレ・ドレスデン
例によってBrilliantレーベルから超廉価のお徳セットとしてリリースされている。LP時代は高額で全く手がつけられなかったこういう音盤が信じられないほどのお値段で手に入れられることは本当に嬉しい限り。しかし、何枚もの音盤を一気に、しかも廉価で購入すると、所有することばかりに意識が向いて、しっかりと緻密に「音楽を聴かない」というデメリットも生じる。ケンペのこの録音などは、一部を盤が擦り切れるほど昔聴いていたものだから、過去の記憶を思い起こせて懐かしい限りで、そう簡単に棚の奥にしまわれてしまうことはないのだが、今や所有者(僕のこと)に聴かれることも滅多になく埃をかぶってしまっているセット物も多数ある。だったらオークションなどで売ってしまうか、誰か好きな人にあげればいいじゃないかという意見もあるが、時にどうしても必要になる時があるから、そう簡単には手放せない。
ところで、今月は20日(日)&21日(祝)で「ワークショップZERO」を開催する。ともかく発信し続けることだと考えている。そして、第30回目となる「早わかりクラシック音楽講座」は、R.シュトラウスの交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」。スタンリー・キューブリック監督作「2001年宇宙の旅」のテーマ音楽として使われた序奏部だけがあまりに有名になり過ぎているが、全曲通してシュトラウスらしいどろどろした「官能性」と沈着冷静な「理性」が交錯した深い音楽で(ちょっと言い過ぎかな?)、ぜひとも多くの方々に知ってもらいたいと思う名曲なのである。このあたりをきっかけにして彼の深遠な世界を少しばかり覗き見してみるのもいいのではないでしょうか?9月26日(土)15:00からエルーデ・サロンにて開催します。ご興味ある方はぜひご参加ください。
ちなみに今、あえてケンペのものでなくプレヴィン指揮ウィーン・フィルによる「家庭交響曲」を聴いている。プレヴィンのシュトラウスは絶妙でカラヤンに匹敵する美しさを持つ。今、シュトラウスを聴くならプレヴィンだ。
そろそろ岐阜に向けて出発時間。プレヴィンの「家庭交響曲」については後日。
おはようございます。
ケンペもLP時代、大変お世話になった指揮者です。
ご紹介のR.シュトラウスのSKDとの録音も、とても懐かしいですし、素晴らしい演奏だったと思います。
ケンペとミュンヘン・フィルの録音では、シューベルト交響曲第9番『グレート』と、
http://www.hmv.co.jp/product/detail/339886
ブルックナーの交響曲第5番が、
http://www.hmv.co.jp/product/detail/3624171
思い出もあって、それぞれの曲の数多い音盤の中で、未だに最も好きです。オケの音色も、私にとっての理想です。
他に、それらより後年聴いたベートーヴェンの交響曲全集も、とても好きです。
もうひとつ、プレヴィン&ウィーン・フィルは、指揮者もオケも、お互い肩の力が抜けリラックスしていて、それがじつに良い結果を生んでいると思いました。あの時期の両者の、幸せな関係の記録ですね。
>雅之様
おはようございます。
ケンペの「グレート」やブル5、懐かしいですね。ブル5はいつぞやのブログでも書きましたが、いまだに1、2を争う名盤だと僕も思います。
しかしながらベートーヴェンの全集は残念ながら未聴でして・・・。
聴いてみたいですねぇ。
>プレヴィン&ウィーン・フィルは、指揮者もオケも、お互い肩の力が抜けリラックスしていて、それがじつに良い結果を生んでいると思いました。
同感です。プレヴィンあたりにニューイヤーをやっていただけると面白そうですよね。
ところで、久しぶりに明日、多治見公演で再会できることを楽しみにしております。
毎日、ブリリアントの9枚CDをとっかえひっかえ聴いています
ティルオイレン・・・・などなにかトスカニーニばりのシャッキリしたキレの良さに、この曲はこのように演奏されるべきものなんだと再確認しました
どうしてもカラヤンで好きになれなかった英雄の生涯、家庭交響曲、ドンキホーテ、ツァラトウストラ、七つのヴェールの踊りなど次々と耳を澄ませて鑑賞しています
>neoros2019様
ケンペの全集良いですよね。
ブログ記事を拝見させていただきましたが、何だかんだ言いながらシュトラウスを愛されているようですね(笑)。
僕はカラヤンのシュトラウスも大好きなのですが、おっしゃるように「ツァラトゥストラ」は別の版を聴くようです。
いずれの演奏も座右の音盤です。