楽しむ

wagner_meistersinger_karajan.jpgハ長調という調性はやっぱり開放感があるのだろう。僕は専門の音楽教育を受けていないし、絶対音感も持ち合わせていないので学問的に考証することはできないのだが、以前クラシック音楽講座でもとりあげたモーツァルトの「ジュピター」交響曲やワーグナーの「マイスタージンガー」前奏曲などを聴いていると妙に元気が湧いてきて、一層前向きな気分になれるから時折聴いて自らを鼓舞することにしている。
ここのところ数ヶ月(月に1回のペースだが)、対面カウンセリングをしているあるクライアントから嬉しいメールが届いた。最近ある方から「日々感謝し、楽しむ」ようアドバイスをもらったという。これまで自分は「楽しむ」=「快楽」という風にとらえていたのだが、「他人に喜んでいただけるよう施す」ことが「楽しむ」ことなのだとようやくわかったという内容であった。毎月開催する「人間力向上セミナー」では、理屈ではなく体感的に学んでいただこうと様々な切口で「気づき」の場を提示しているのだが(彼にも参加していただいて既に3ヶ月が経過した)、きちっとフォローしていれば自然気づきを得ていただけるのだと思った次第。
人間はたった一度の経験でものごとをインプットすることはできない。何度も繰り返し反復することが大事なのだが、かといって「トレーニング」というとハードルが高くなり続かない人が多いからどのように提示すべきかずっと考えていたのだが、まめなサポートが受講していただいた方の変化(成長)を助長することなんだとあらためて気づかされた。

ワーグナー:楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」
テオ・アダム(バス・バリトン)
カール・リッダーブッシュ(バス)
ルネ・コロ(テノール)
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ドレスデン国立管弦楽団ほか

上演時間4時間半の長尺オペラ-人間の我慢の限界を超えているでしょう(笑)。おそらく全曲を通して集中して聴いた(聴けた)経験は一度もない。第1幕の前奏曲はことのほか有名だから一般的にはこの10分ほどの音楽に身を浸せばある意味十分で、たとえ一時的であろうと勇気というか前向きな思考にしてくれる効果があるように思うので、日頃クラシック音楽など耳にしない方たちにも「気合いを入れたい時」にお奨めできる音楽である。

しかしながら、この楽劇の真骨頂はやはり歌合戦の場面を中心とした第3幕だろう(今日は第3幕だけを繰り返し聴いた)。この幕だけで2時間もかかるゆえ一般的なイタリア・オペラの常識は優に超えてしまっているのでそうそう気軽に聴けるものではないのだけど・・・。それにしてもヴァルターが歌合戦に優勝し、エヴァを得ると同時にマイスターの称号を受け入れるラストは例の旋律に乗っての大合唱、大団円で締め括られ、圧巻である。第2次世界大戦中、気高いドイツ芸術を讃えるというストーリー展開からナチスのプロパガンダに利用された歴史を持つ楽劇だけに、少なくともこの音楽に身を委ねているうちは意識を覚醒させられる-何だかやる気になってくる効果があるのだから不思議なものである。目標を持って何かに向かえば自ずと「楽しくなる」もの。

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