J・J・エイブラムス監督「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」(2019)

夜明け前が最も暗いという。夜が明けたその瞬間は最も感動的だ。

スカイウォーカーの血を継ぐ者が二卵性の双子(ルークとレイア)であったことは、世界が対立する二元であり、人類がいずれ統べるときが来るであろうという希望を託してのものだった。善悪を判断する以上、戦いに終わりはなく、善悪を超える以外に覚醒の術はなかったのである。やはり。

作品のテーマは、「無門関」における「不思善、不思悪」を思わせる。
いかに人間が後天に囚われているかということ。血すらその人の本性には無関係であることを物語は示唆する。

レイアのライトセーバーとルークのライトセーバーが十字を作ったとき、パルパティーンの持つダークサイドのフォースは力尽きた。ここでレイは真の目覚めを得る。魂は不滅だとあらためて思う。

J・J・エイブラムス監督「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」(2019)
デイジー・リドリー(レイ)
アダム・ドライヴァー(カイロ・レン)
ジョン・ボイエガ(フィン)
オスカー・アイザック(ポー・ダメロン)
マーク・ハミル(ルーク・スカイウォーカー)
キャリー・フィッシャー(レイア・オーガナ)
ビリー・ディー・ウィリアムズ(ランド・カルリジアン)
ルピタ・ニョンゴ(マズ・カナタ)
ドーナル・グリーソン(ハックス将軍)
ケリー・マリー・トラン(ローズ・ティコ)
ヨーナス・スオタモ(チューバッカ)
アンソニー・ダニエルズ(C-3PO)
イアン・マクダーミド(パルパティーン)
ほか

アダム・ドライヴァー演ずるカイロ・レンの内なる心の叫び、心の揺れ動く様子が人間臭くて実に素晴らしい。哀しみを背負うカイロ・レンはハン・ソロの血筋であり(同時に、ダース・ベイダーの孫でもある)、恐れを持つレイはパルパティーンの血統であるという交差(すべては時空を超えた因果律の中)。こういう模様は僕たち一般の人間社会にも多かろう。
本性にはやはり善も悪もない。ただ一つになろうとする力、すなわちフォースが働くだけだ。誰の内にも存在するフォースを開けと一人一人が問われているのであろう。

この「スター・ウォーズ エピソード9」、世間の評価は真っ二つ。ことによると否の方が勝っているかもしれぬ。
一体何を観ているのか?
僕は心動いた。心が震えた。素晴らしかった。涙すらこぼれた。

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