バルシャイ指揮ユンゲ・ドイチェ・フィル マーラー 交響曲第5番(1999Live)

若者を中心とした、いわばアマチュアのようなオーケストラゆえか、音楽に真摯に向かう姿勢が見事に音に現われる。どの瞬間もエネルギーとパッションに溢れ、マーラーの音楽がたった今生まれたかのように映じ、多少の瑕など何のその、否、想像以上のテクニックに空恐ろしさなどを覚え、1時間と少しを夢中に過ごしてしまった。音盤でのこんな経験は久しぶりだ。

ルドルフ・バルシャイの功績の一つ。
彼が亡くなる前、読響への客演で指揮したショスタコーヴィチのあまりの素晴らしさに僕は感激して卒倒した。そのバルシャイのマーラーは、交響曲第10番を目的に購入したが、カップリングの第5番も想像以上に素晴らしく、つい幾度も繰り返してしまった。この演奏には、バルシャイの若者への厳しい愛が刻印され、ほとんどマーラーが乗り移ったのかとさえ思わせられる箇所多数。特に、中心となる第3楽章スケルツォは、時間の経過とともに奏者の思い入れたっぷりの表情が生き、個々のプレイヤーの力量も十分に発揮され、音楽の躍動ぶりは半端ない。さらっと流れる(冷静な)第4楽章アダージェットも聴きどころだが、それにも増して終楽章ロンド、アレグロ・ジョコーソの、中でもコーダの輪舞に感動一入。

・マーラー:交響曲第5番嬰ハ短調
ルドルフ・バルシャイ指揮ユンゲ・ドイチェ・フィルハーモニー管弦楽団(1999Live)

マーラーの音楽は、ひとたび自分のものになると、あらゆる演奏を許容できる心が養われる。作品自体の懐はとても広いようだ。直情的な(?)バルシャイの解釈もマーラーの本質をズバリと言い当てる。音楽はどこまでも飛翔する。これまであまりに支離滅裂だと思っていたのは僕の勘違いなのかどうなのか。この演奏は(ある意味)実に熱い。

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