ムラヴィンスキー指揮レニングラード・フィル プロコフィエフ バレエ音楽「ロメオとジュリエット」組曲第2番(1984録音)

厳しい。
リハーサル中の指揮者の表情を見ているだけで緊張が走るくらい。
相変らずの金管の猛烈な咆哮にのけ反ってしまう。
音楽の静と動をこれほど対照的に、しかし、芸術的に表現した人はなかなかいまい。動的瞑想ではないかと思うほど、音楽の集中力と静けさ、精神性(あまりに抽象的な言葉だが、これ以上言い当てる術を今の僕は持たない)は他を冠絶する。

プロコフィエフ:バレエ音楽「ロメオとジュリエット」組曲第2番作品64ter
・モンターギュ家とキャピュレット家
・少女ジュリエット
・僧ローレンス
・別れの前のロメオとジュリエット
エフゲニー・ムラヴィンスキー指揮レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団(1984録音)

余計な思念を削ぎ落して、理性、否、悟性だけで押し通した印象。
一見冷徹でありながら、滲み出る温かさは随一。
シェイクスピアの悲劇が見事に音化される。プロコフィエフが泣く。

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