マーラー・フェスティバル2025 ペトロヴァ オランダ放送合唱団 オランダ国立児童合唱団 ルイージ指揮NHK交響楽団 交響曲第3番ニ短調(2025.5.11Live)

今年のNHK交響楽団のヨーロッパツアーには友人の息子くんが同行した。
(N響のアカデミー生である打楽器の菊池幸太郎くんだ)
(今回はトライアングルで舞台に出演している)
今夜、Eテレでそのコンサートの模様が放映され、ほんの少しだが、第3楽章の後半でどアップで映った。かっこ良かった。
演奏はもちろん見事だった。
今のN響の力量がいかほどのものか、世界の屈指のオーケストラに引けを取らない技術の高さに驚嘆する。

アムステルダムは、コンセルトヘボウでの収録。
個人的に、この交響曲は第3楽章以下が肝で、この3つの楽章にメリハリがあり、統一感がもたらされると良い演奏になる。
指揮者もさることながら、オーケストラの集中力のすごさ(それは求心力でもあり、また遠心力でもある)に感動する。

終楽章には元々「愛が私に語るもの」という標題が付されていたが、マーラーは最終的にカットした。しかし、後半3つの楽章をモーリス・ベジャールがジョルジュ・ドンとショナ・ミルクによるバレエによってその美を見事に再現(再構築?)した映像が残されているが、今回の演奏はその美に一層拍車をかける、人間の生み出した絶美の音楽の一つであるように僕には思われた(大袈裟でけれど)。

マゼール指揮ウィーン・フィルのマーラー交響曲第3番を聴いて思ふ マゼール指揮ウィーン・フィルのマーラー交響曲第3番を聴いて思ふ 愛が私に語りかけるもの 愛が私に語りかけるもの

ルイージは何より造形力、すなわち音楽の全体をとらえる力と細部を精緻に磨き上げる力に優れている。文字通り、求心力と遠心力を見事に活用し、聴衆に相当な集中力を強いるこの長大な交響曲を、まったく飽きさせず、一部の隙もない音楽として披露した。終演後の様子をうかがうに、涙する人もいるくらいだから、会場に居合わせた人がどれほどの感動を得たかがよくわかる。渾身のマーラー演奏に、しかし肩肘張らない自然体の、脱力のマーラー演奏に拝跪したい思いでいっぱいだ。

9月の高原の夜はめっきり涼しい。

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

アレグロ・コン・ブリオをもっと見る

今すぐ購読し、続きを読んで、すべてのアーカイブにアクセスしましょう。

続きを読む