20世紀ロックの光と翳

The Velvet Underground & Nicoを聴く。

かのアンディ・ウォーホールがデザインをしたバナナのジャケットの音盤である。
発表当時商業的には失敗だったが、後に再評価され、今や伝説となっているバンドの大傑作である。1曲目の「Sunday Morning」はイントロから懐かしく、なぜか古き良き少年時代を髣髴とさせるアンニュイな名曲。そして「Heroin」。

「Heroin, It’s my wife, It’s my life.」
とくる。

アルバムを通して「ドラッグ」、「幻覚」、「現実逃避」、「エロス」をテーマにした楽曲が続く。歌詞から曲調からすべて危険な匂いを漂わせているのだ。1967年の発表だからもう既に40年前のものである。当時のオーディエンスには到底理解し得なかったのだろうが、現在の耳で聴くと「心地よさ」と「内的爆発」の同居とでも表現できようか。カタルシスである。

そして、久しぶりにThe Beatlesを聴く。何年ぶりだろうか。。。
もともとクラシック音楽党であった僕をロックの世界に誘ってくれたのがビートルズであった。いわゆるポピュラー音楽なるものを聴かず嫌いで馬鹿にしていた僕に「洗礼」を浴びせた伝説のバンドの傑作。その彼らが分裂直前にメンバー各々がその力を出し切り作った2枚組の大作が本盤、いわゆる「ホワイト・アルバム」なのだ。
こちらも1曲目の「Back in the U.S.S.R」からいきなり引き込まれてしまう。イントロのかっこよさ、ポールのヴォーカル、ビーチボーイズ風のバックコーラスなど、斬新である。ロックである。最後の「Good Night」まで全30曲。ビートルズとそのメンバーのそれぞれのエッセンスが詰まっている賛否両論の名盤。

ロックでいうところの、ビートルズは「光」、ヴェルヴェットアンダーグラウンドは「翳」であろう。どちらも後世に与えた影響は絶大でなくてはならない存在である。

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3 COMMENTS

アレグロ・コン・ブリオ~第4章 » Blog Archive » ヴェルヴェット・アンダーグラウンド再び!

[…] ルー・リードがショスタコーヴィチを意識していたとは到底思えないが、そしてショスタコーヴィチがヴェルヴェッツを知っていたかどうかは知る由もないが、少なくともリードの類稀な高踏的芸術的センスはクラシック音楽の作曲家と同等の、いやそれ以上のものではないかとアルバムを聴いていて思う。音盤からでも如実に伝わる気が狂いそうなエネルギー放射性!!嗚呼、”Black Angel’s Death Song”(ケイルのヴィオラ・プレイよ!)、嗚呼、”Heroin”、おお、”Femme Fatale”(ファーストではNicoが歌っていたのをCaleがヴォーカルをとっている!)・・・、彼らはやっぱり只者でない。 […]

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