「肯定」の歌

昨晩、栃木県からの帰りの足でそのままダイアログカフェ第1回「起業家視点から大震災を考える」に参加した。1時間近く遅れての参加だったのでほとんどまともな発言もできず、聴く側にまわったかっこうだったが、個性的な方々の貴重なご意見や考え方を享受することができ、とても良かった。

いろいろと話を伺ってみて感じたこと。今回の震災のボランティアについても情報が錯綜していて実際のところはどうなのかが実に微妙だということ。地域ごとに状況は異なっているようだが、ネット上ではあまり公開されない情報も現地に直接出向けばいろいろとわかることがあるらしい。例えば仙台市の場合。駅にボランティア募集についての詳細が記載された情報箱のようなものが設置されているのだと。直接足を運ばないと結局は何事もわからない、ということだろう(世間は実にアナログ的)。インターネットは便利だが、すべてに網羅されているのではないということを一方で知っておかなくちゃいけない。

昔、クリス・スクワイア抜きの黄金期イエス(=A,B,W&H)をNHKホールで聴いたとき、大変に感動した。3枚組の大作”Yes Songs”にはまっていた時期があったものだから、生イエスを聴けた喜びと、ほとんど超人的といって良いプレイヤーの技巧に唖然としながら(録音をほぼ完璧に再生する能力!)2時間だったか3時間だったかを手に汗握り体験したことは一生の宝と言っても言い過ぎではない。

Yes:Yes Songs

一部の楽曲を除きほとんどAlan Whiteがドラムを叩いているが、絶頂期のイエスの最高のライブ・パフォーマンスをほぼ丸ごと聴けるというのは貴重。何せオープニングのストラヴィンスキーの「火の鳥」終曲もしっかり収録されているし、そのままRick Wakemanのキーボードにつながるあたりが恐ろしいほどかっこいい。Jon Andersonのハイトーン・ヴォイスももちろん若い。Steve Howeのうねるようなギター・ワークも最高(”Mood For a Day”などは来日時の演奏のほうが良かったなぁ。落ち着いた演奏で、とても調和がとれていた)。

僕が所有するCDは紙ジャケットの忠実にLPを再現した優れもの。しかし、処分したあの貴重なアナログ盤の重量感にはとてもじゃないが程遠い。

朝日新聞夕刊に原由子が連載している「あじわい夕日新聞」を読んだ。桑田佳祐が少年時代に通った茅ヶ崎のレコード店がいよいよ閉店するのだと。時代はLP時代からCDを経て音楽配信へ・・・。何だか寂しい。


3 COMMENTS

雅之

おはようございます。
>僕が所有するCDは紙ジャケットの忠実にLPを再現した優れもの。しかし、処分したあの貴重なアナログ盤の重量感にはとてもじゃないが程遠い。

プログレ音盤は、LPで世に出ることを前提にしていて、
ジャケットアートを含めての作品だと痛感します。
音ももちろんそうですが、LPを買ったときの時代の熱気や空気とか、
LPのずっしりとした質感とか、A面・B面のニュアンスとか、
CDでは、その魅力の全貌の半分も伝えていないと思います。

30年前の技術をベースに作られているCDは、
40年前に作られた原子炉みたいで、いよいよ魅力を感じなくなってきました。
CDは、どうしてこんなに進歩しないのでしょうかね。
SACDのファン層増加も、遅々として進みませんしね。

それと、Blu-ray Disc
http://ja.wikipedia.org/wiki/Blu-ray_Disc
で採用されている「TDK DURABIS技術」(キズに強く、スチールウールで100回や200回擦ったぐらいでは影響がほとんどないほどの耐久性を持つ。また、指紋汚れやチリ・埃が付きにくいとされる)を、CD新譜などでもなぜ採用しないのでしょう。
新素材開発なら、まっとうな価格で買ってくれるユーザーは、耐久性や寿命の向上についても大いに気にしていて、品質改良して欲しいと望んでいるはずです。とにかくCDには物としての魅力が無さ過ぎます。

かと言って、LPレコードの主要な材質である塩化ビニルは環境に優しいとは言えず、
LPの時代に戻りたいとも思いません。
でも、音楽での音質は、圧倒的にLPが好きですね。

イエスについても初心者で勉強不足です。
「こわれもの」「危機」「海洋地形学の物語」といった代表作品のアルバムタイトルは、
まるで3・11以後のキーワードみたいですね。

「海洋地形学の物語」は、
「危機」に伴うツアーで初来日を果たしたイエスのメンバーが、
日本公演中に、「あるヨギの自叙伝」
http://www.amazon.co.jp/%E3%81%82%E3%82%8B%E3%83%A8%E3%82%AE%E3%81%AE%E8%87%AA%E5%8F%99%E4%BC%9D-%E3%83%91%E3%83%A9%E3%83%9E%E3%83%8F%E3%83%B3%E3%82%B5%E3%83%BB%E3%83%A8%E3%82%AC%E3%83%8A%E3%83%B3%E3%83%80/dp/4627999313/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1305937795&sr=1-1
を読んで、影響を受けて制作されたそうですが、
そうすると、またまたインド繋がりの話題で盛り上がりそうですね(笑)。

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岡本 浩和

>雅之様
こんにちは。
確かにCDフォーマットはもはや時代遅れですよね。
SACDについても、いまひとつ拡がりがみられないというのはどういうことでしょう。
ひとつは若い世代が物としての音盤に興味を持っていないということがあると思いますが、少なくとも旧世代はブルーレイやSACDのフォーマットを使用し、音盤を量産することで価格を下げる方向に進んだ方がより賢明だと僕も思います。

>「こわれもの」「危機」「海洋地形学の物語」といった代表作品のアルバムタイトルは、
まるで3・11以後のキーワードみたいですね。

確かに!「海洋地形学」は大学生の頃よく聴きました(もう長い間聴いておりません)。ジョン・アンダーソンもインド哲学の影響を受けていますからね。難解な歌詞ですが、じっくりと読んでみると何か見えてくるかもしれません。久しぶりに聴いてみたくなりました。

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