拙ブログ「アレグロ・コン・ブリオ」のタイトルは、敬愛するベートーヴェンの第5交響曲やエロイカ交響曲の第1楽章の速度記号からいただいたものである。イタリア語で「輝きをもって速く」という意味のこの記号は、僕が理想とする(あくまで理想)生き方を暗示するものだが、20世紀前半を代表する大指揮者アルトゥーロ・トスカニーニをして、エロイカ・シンフォニーを指して「ただのアレグロ・コン・ブリオに過ぎない」といわしめたもので、確かに「輝きをもって速く」以上のものでもなければそれ以下のものでもない。作曲家の創作過程において速度記号がどれほどの意味を為すのかわからないが(少なくともバッハらのバロック期には厳密な速度記号は存在しなかった。19世紀末から20世紀初頭を生きたマーラーに至ってはこと細かに楽譜上に指示を出しているが)、生きてゆく上で自発性を持つことの重要性を説いてもらっているようで非常に意味深いものだと今の僕は考える。
モーツァルトは「アレグロ・コン・ブリオ」なんて指定を使ったのだろうか?
ベートーヴェンより後の作曲家の音楽でこの指定を使っている作品はどんなものがあるのか?
もちろん調べればわかることなのだが、少なくとも僕の記憶の中にそのデータは乏しい。
やっぱり、どうにも革新的なベートーヴェンの作品にこそぴったりの記号のように僕には思われる。
ところで、僕がエマーソン・レイク&パーマーのアルバムに初めて触れたのは30年前のこと。「展覧会の絵」だったか「タルカス」だったか、あるいは「トリロジー」だったか、そのあたりはすっかり忘却の彼方だが、彼らの作品ほど「アレグロ・コン・ブリオ」という記号が相応しいものは他にはなかなか見当たらないのでは。特に、「恐怖の頭脳改革」までの初期作品には勢いと創造性と芸術的才能と、あらゆるセンスが詰まっており、それらを総括して一般聴衆にエマーソン・レイク&パーマーとは何ぞやと問うたのがたった今耳にしているライブ録音だったと言えるのではなかろうか。
イエスの「イエス・ソングス」と同類のアルバム。
Emerson, Lake & Palmer:Welcome back, my friends, to the show that never ends~Ladies and Gentlemen
このアルバムこそはE,L&Pの集大成。いや、最高傑作といっても過言でない。
残念ながら僕は彼らのライブに接し得なかったわけだけれど、こうやって録音で聴くだけでも、彼らの演奏がどれだけテクニカルで内容も濃かったのかということが実感できる。
最初の”Hoedown”からして、まさに「輝きをもって速く」の真骨頂!!続く”Jerusalem”も”Toccata”も、もちろん”Tarkus”もスタジオ録音以上のエナジー。
“Tarkus”の終盤にはKing Crimsonの”Epitaph”(そういえばザ・ピーナッツのお姉さんが亡くなった。「エピタフ」を歌ってたっけ・・・笑)が挿入される。いかす!
Confusion will be my epitaph
As I cross a cracked and broken path
If we make it
We can all sit back and laugh
混乱こそわが墓碑銘
ひび割れ、壊れた小径を渡るように
もし僕たちが成功するなら
僕たちは皆寛いで笑っていられるのだ
そうか、エマーソン・レイク&パーマーは「アレグロ・コン・ブリオ」だったんだ!!??
おはようございます。
>モーツァルトは「アレグロ・コン・ブリオ」なんて指定を使ったのだろうか?
交響曲第25番(小ト短調)の第一楽章なんかも、たしかそうだったですよね。
>そうか、エマーソン・レイク&パーマーは「アレグロ・コン・ブリオ」だったんだ!!??
「アレグロ・コン・ブリオ」という言葉の力だけで、エマーソン・レイク&パーマーまで強引に巻き込んでいけるとしたら、直近私にとってのアレグロ・コン・ブリオとは何だ?
それは、ここ十数年、カラオケに行った時好きで最も多く歌う歌、Mr.children 「名もなき詩」かもしれません。昨夜もこの曲を歌って大いに盛り上がったのです。
http://www.youtube.com/watch?v=wsT1HXJrTYQ&feature=fvst
Mr.Children 1996-2000
http://www.amazon.co.jp/Mr-Children-1996-2000/dp/B00005L8OD/ref=sr_1_4?s=music&ie=UTF8&qid=1341350175&sr=1-4
人それぞれ、自分の「アレグロ・コン・ブリオ」があるのでしょう。
>雅之様
おはようございます。
ちょっと強引過ぎましたかね(笑)。
しかし、ミスチルの「名もなき詩」とは!
名曲ですね。
それにしても一度雅之さんのカラオケとやらを聴いてみたいものです(笑)。
>交響曲第25番(小ト短調)の第一楽章
あー、そうでした!